2020/10/20
販管費とは?
販管費削減の方法も解説

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
販売管理費とは賃借対照表で目にする言葉ですが、きちんと意味を理解している方は少ないのではないでしょうか。今回は販売管理費の内容や混同しやすい売上原価との違い、さらに販売管理費用の削減方法についてご紹介します。
目次
販売管理費とは
販売管理費とは、「販売費及び一般管理費」の略称です。さらに短縮して「販管費」と呼ばれることもあり、よりわかりやすく言い換えると「製品の販売にかかる売上原価以外の費用」を指します。
販売管理費について、わかりやすい例をあげてご説明します。
たとえば、コーヒーを1杯200円で販売したとします。
コーヒー1杯を売るのにかかった費用は、「コーヒー豆代」「コーヒーを売る人の給与」「コーヒーを売るための店舗賃貸費」「コーヒーを売るのにかかった光熱費」「コーヒーを世間に知ってもらうための広告費」となります。さらにいえば、「帳簿に使う文房具」「営業マンの交通費」などもあげられます。
このうちで販売管理費は「コーヒー豆代」以外の部分です。
売上原価との違い
コーヒー豆代以外が販売管理費であるなら、コーヒー豆代は何と呼ぶべきでしょうか。 コーヒー豆のような、製品の仕入れや材料にかかったコストは「製造原価」です。さらに製造原価をかけて売れたコーヒーの原価は「売上原価」と呼びます。
たとえば、200円のコーヒーを作るのに20円の製造原価がかかっていたとします。そのコーヒーを100杯作ると、製造原価20円×100杯=2,000円の支出です。ところが実際に売れたのは半分の50杯ほどでした。
売上原価は実際に売れた50杯にのみにあてられる数字であるため、このコーヒー屋の売上原価は原価20円×売れた50杯=1,000円となります。
販売管理費の具体的な内訳
販売管理費は販売費と一般管理費の2つにわけられます。この2つは勘定項目が被る部分もありますが、こまかい内訳を見てみると中身が違うことがわかります。
販売費
販売費の内訳の目安は、製品・サービスを販売するのに「直接かかる費用」と考えてください。たとえば、「営業マン・販売部門の給与」「広告費」「製品の運送費や営業マンの交通費」「販売の際にシステム決済や代理人・仲介人への手数料」などがあげられます。
一般管理費
一般管理費は製品の販売に直接関わらないものの、企業全体の運営に必要な経費を指します。
たとえば、「経理や総務への給与」「光熱費」「保険料」「通信費」などがそうです。販売には大きくは関わらないとしても、保険料や光熱費がなければ製品を売るための人材も集められずオフィスをまわすこともできません。「販売を管理するためのものにかかる費用」と捉えるとわかりやすいでしょう。
人件費の扱いについて
販売管理費のほとんどが人件費となります。しかし人件費は場合によって「売上原価」と計上されることも珍しくありません。
たとえばコーヒーを販売する企業からすると、コーヒー豆を加工する工場に勤める人の給与も原価の一部であり、売上原価で計上する場合もあります。
人件費が必ずしも販売管理費となるわけではないため、注意が必要です。売るものや業務形態によって、人件費は製品の原価としてみなすことがあると覚えておきましょう。
販管費率の計算方法
販売管理費率の計算方法は、
販売管理費÷売上高×100
となります。
販管費率が低ければ低いほど、経費をかけずに売上は伸びます。販管費率を下げるには販売管理費の数値を下げるか、売上の数値をあげる必要があります。そのため企業は、いかに経費を使わずに売上を伸ばすかの戦略を立てなくてはなりません。
販管費率の分析の仕方
販管費率の分析の仕方についても確認しておきましょう。分析を正しく行うことで、企業利益を守ることができます。
当期の数値を計算する
まずは当期の売上高と販売管理費、営業利益を計算します。販売管理費は手数料や給与、運送費など細かく分けて数値を出します。
続いて内訳の数値が売上高に対して何%なのか計算をします。するとどの項目が売上高に対して高い比率なのか把握できます。高い数値の部分は、削減すべきところがないかを見直しましょう。
前期の数値と比較をする
さらに前期も同じように、売上高に対するそれぞれの販管費率を出します。前年比と比較をすると、中には数値の差が激しい部分があるかもしれません。
その結果赤字になったのか黒字になったのかをもとに「なぜそうなったのか」「対策方法はあったのか」など、こまかな分析を行い次期に備えましょう。
販管費を削減する方法
販売管理費の削減方法はさまざまです。まずは効果の大きなもので実現できそうなものから順に試していくことが大切です。ここでは、削減方法の例をご紹介します。
諸経費
製品の売上を維持するのに必要だと思われていた費用の中には、削減できるものもあります。
たとえば、接待費や交通費などです。経費で行われる宴会や飲み会を減らし、営業マンには燃費のよい社用車を支給することで削減が可能です。
諸経費を見直し、不要なところは削るようにしましょう。
人件費
もっとも効果が高く、もっとも実現が難しいのが人件費の削減です。従業員給与の削減や雇用解除を行うのはリスクが高いため、まずは経営陣の給与の調節から行います。
オフィス家賃
近年ではネット販売やリモートワークがすすんでいるため、店舗やオフィスに足を運ぶ人も少なくなっています。よほど立地にこだわりがあるのでなければ、オフィスを賃料の安い場所に変えるのもひとつの案です。現状のオフィスの必要性を見直し、オフィス家賃を調整してみましょう。
まとめ
今回は販売管理費について、計算方法や削減方法などをご紹介しました。
販売管理費は、企業が正しい投資をしているのかを判断する材料となります。販売管理率を明らかにし、不要・必要な費用を洗い出し企業利益を促進しましょう。
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