SaaSの原価管理システムおすすめ10選|自社に合ったツールの選び方とは

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
原価管理は、企業の利益に関わる重要な業務です。「利益=売上-原価」の計算式で表されるとおり、原価を最小限に抑えることで利益を最大化できます。
原価管理業務の具体的な作業としては、製品の製造やプロジェクトが完了するまでに発生したコストの管理に取り組みます。
【原価管理の7つのステップ】
①目標設定
原価目標を設定し、利益計画を立てます。
②原価の見積もり
製品やプロジェクトに必要なコストを事前に見積もり、計画と比較可能な基準を作ります。
③実績データの収集
原価の実績データを正確に収集し、計画との差異を把握します。
④原価の分析
実績データを基に計画との差異を分析し、問題の原因を特定します。
⑤改善活動の立案
原価削減や効率化の施策を計画します。
⑥改善活動の実施
立案した施策を実行に移し、成果を検証します。
⑦モニタリングとフィードバック
改善施策の効果を定期的に検証し、必要に応じて調整を行います。
そこで専用システムを活用すれば、原価計算や予算と実績の比較、損益の分析といった複雑な計算を効率化することが可能です。
この記事では、原価管理システムを検討している管理担当者の方へ向けて、SaaSの原価管理システムおすすめ10選をご紹介します。主な機能や選定のポイントも解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
SaaSの原価管理システムとは
SaaS(Software as a Service)とは、インターネットを通じてソフトウェアを利用するサービス形態のことです。ベンダーがオンラインで提供するシステムを、月額料金を支払って利用する仕組みとなっています。
SaaSの原価管理システムは、インターネット環境さえあれば、サーバーにシステムを構築することなく利用できるのが大きな特徴です。オフィスだけではなく、自宅・外出先からでもアクセスできます。
また、デバイスが違っても、アカウントが同じであればサービスを利用可能です。複数人が一つの管理シートやフォルダで同時に作業できるというメリットもあります。
さらに、利用規模に応じてプランやリソースを増減できる点もSaaSの特徴です。
詳しいメリット・デメリットについては、後述します。
SaaSの原価管理システムに備わっている主な機能
SaaSの原価管理システムには、一般的に以下のさまざまな機能が搭載されています。効率的な原価管理を実現するために、まずはシステムの機能面をチェックしてみましょう。
原価計算機能
原価を自動で計算する機能です。手動の計算方法と比べて工数を大幅に削減するとともに、計算の正確性もアップします。システムによっては、複数の原価を案件に紐づけて管理したり、プロジェクトごとの収支を自動集計したりすることも可能です。
損益計算機能
手間のかかる損益計算を自動化する機能です。全体の損益だけでなく、製品別・部品別に計算したり、月次・四半期で区切って計算したりすることも可能です。予算の振り分けの最適化と投資判断を行うに役立ちます。システムによっては、損益計算書を作成することも可能です。
原価シミュレーション機能
蓄積されたデータに基づいて原価の変動をシミュレーションする機能です。今後に発生する可能性がある原価の変動を予測し、企業の利益に与える影響をシミュレーションできます。原価変動の影響を踏まえた経営の意思決定が迅速に行いやすくなるでしょう。
原価配賦機能
原価を部門や製品ごとに正確に配賦し、コスト構造を可視化する機能です。この機能により、間接費を含む複雑な配賦作業を効率化できるほか、企業や業界特有の配賦ルールにも柔軟に対応可能です。原価管理の精度向上や利益率改善に貢献します。
原価差額分析機能
目標とする原価と実際の原価の差異を分析する機能です。この機能により、目標と現状にどれだけの差異が発生しているかを確認し、要因の特定が可能となります。目標とする原価の達成へ役立てられます。
SaaSの原価管理システムを選ぶ際のポイント
SaaSの原価管理システムを選ぶ際は、以下のポイントに着目して比較検討するとよいでしょう。自社の導入目的やニーズに適したシステムを選定するために、確認すべきポイントをご紹介します。
業種や規模に適したタイプか
原価管理システムは、企業の業種や規模によって必要な機能が異なります。ここでは、原価管理システムを大きく3つに分けてご紹介するので、自社の業務内容や課題に適したタイプを探してみましょう。
- 汎用性の高いタイプ
業種や規模を問わず、幅広い企業で使いやすいタイプです。原価管理に必要な機能が豊富に搭載されており、小規模から大規模まであらゆる組織にマッチします。カスタマイズ性の高いシステムなら、業界特有の商習慣にも柔軟に対応できるでしょう。
原価管理システムの導入によって解決できる課題は、以下の関連記事でも解説しています。本記事と併せてぜひ参考にしてみてください。
関連記事はこちら 原価管理システムの導入で解決できる課題とおすすめのシステム20選
- プロジェクト単位の管理にマッチしたタイプ
プロジェクトごとの原価を管理する機能が搭載されているタイプです。主に「SES・システム開発」「広告代理店・広告制作」「コンサルティング」「サブスクリプション」などのビジネスに適しています。プロジェクト単位の数値がリアルタイムで可視化され、タイムリーな管理を実現できます。
- 特定の業種に特化したタイプ
特定の業種の商習慣に合わせて特殊な計算機能やフォーマットが搭載されているタイプです。主に製造業や建設業などで利用されています。業種によって管理すべき数値や原価計算の方法が変わる場合があるので、必要に応じて専門性の高いタイプを検討するとよいでしょう。
費用対効果は高いか
SaaSの原価管理システムを導入する際は、一般的に初期費用と月額費用が発生します。導入後の時間削減効果や業務効率化による生産性向上を考慮し、費用対効果の高いシステムを選びましょう。初期費用・月額費用の価格はシステムによって異なるので、長期的な費用対効果を見据えて比較検討することが重要です。
拡張性は高いか
既存システムとの連携性も確認したいポイントの一つです。システム連携によってデータの二重入力や転記ミスを防ぎ、業務効率を大幅に向上できます。具体的には、「WEBサイトやECサイトから届いた注文情報を原価管理システムに反映させる」「自社サイトの問い合わせフォームに届いた内容を、原価管理システムの顧客情報と連携し、問い合わせ管理に役立てる」といった活用方法が考えられます。
UIはわかりやすいか
SaaSの原価管理システムを現場に定着させるには、UIのわかりやすさが重要となります。直感的に操作できるシステムは、現場の担当者が快適に使えるため日々の業務へスムーズに取り入れやすいでしょう。また、操作性が良いシステムは、導入時の社員教育にかかるコストを抑えられます。事前に無料トライアルを利用してUIをチェックすると安心です。
導入前後のサポート体制が整っているか
SaaSの原価管理システムを選定する際は、ベンダーのサポート体制も比較してみましょう。導入実績が豊富で、サポートの手厚いベンダーに依頼することが大切です。導入前はオペレーションの整備を手厚く支援してもらえて、導入後は不明点を解決したり、トラブル発生時にフォローしてもらえたりすると理想的です。事前にサポート体制についても確認しておきましょう。
おすすめのSaaSの原価管理システム10選
おすすめのSaaSの原価管理システム10選をご紹介します。システムによって機能や向いている業種などに違いがあります。複数社のシステムを比較検討し、導入時の参考にしてみてください。
汎用性の高いタイプ
- 「楽楽販売」
「楽楽販売」は、複雑な金額計算を自動化できる販売管理システムです。売上と原価を紐づけて自動計算する機能が搭載されているので、管理業務の大幅な効率化が期待できます。また、一括請求や分割計上に対応しているので、請求処理や計上処理の効率化も可能です。日々のルーチンワークを自動化して、作業スピードの向上や人為的ミスの削減を実現します。
さらに、「楽楽販売」はカスタマイズ性の高さも魅力となっています。システムの表示項目・入力画面・操作メニューなどを自社の業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズできます。マウス操作だけで簡単にカスタマイズできるので、プログラミングの専門知識は必要ありません。
加えて、「楽楽販売」は導入前後のサポート体制が充実しています。導入前の運用のご提案から、導入後の電話・メールでのサポートまで、一貫して手厚い導入支援を受けられるので、初めてのシステム導入でも安心です。
- 「GRANDIT miraimil」
「GRANDIT miraimil」は、企業に必要な基幹業務機能がワンパッケージになった統合型ERPです。商社・卸売業・IT・情報サービス業など、幅広い業種に対応しています。日本の商習慣に合わせて設定されているので、細かな検討の手間がかからず、スピード導入しやすいのが魅力です。
プロジェクト単位の管理に適したタイプ
- 「クラウドERP ZAC」
「クラウドERP ZAC」は、タイムリーなプロジェクト別損益管理を実現するクラウドERPです。業務が案件・契約・プロジェクト単位で進行する業種に適しています。具体的には、IT・システム開発業、SaaS・ソフトウェア業、イベント・ディスプレイ業、広告制作・クリエイティブ業などにおすすめです。
- 「freee原価管理セット」
「freee原価管理セット」は、個人事業主・法人向け会計ソフト「freee」シリーズの、原価管理に特化したサービスです。売上・仕入・労務費・経費を案件ごとにまとめて管理できます。プロジェクトごとの原価をリアルタイムで集計する機能により、業務の報告にかかる時間を大幅に削減します。
- 「マネーフォワード クラウド個別原価」
「マネーフォワード クラウド個別原価」は、プロジェクトの工数・費用データを簡単に収集できる個別原価管理システムです。工数管理に役立つ工数入力・費用連携の機能により、従業員に負担をかけずにデータを収集し、ワンクリックで個別原価計算を実現できます。
「マネーフォワード クラウド個別原価」について詳しくはこちら
- 「プロカン」
「プロカン」は、案件やプロジェクトごとの収支管理に特化した、クラウド型の基幹業務システムです。イベント・広告・クリエイティブ業、IT・システム業、士業・コンサルティング業などに適しています。受注後の原価から予実管理、会計までの収支管理を効率化できます。
特定の業種に特化したタイプ
- 「MA-EYES SaaS」
「MA-EYES SaaS」は、利用人数に応じたサービス料金で利用できる、小規模な企業に適したクラウドERPシステムです。利用人数が少ない場合は、費用を抑えながら導入できます。また、システム開発業・派遣業、広告業などの業種別に必要な機能のみを利用できるのもポイントです。
- 「スマートF」
「スマートF」は、バーコードとハンディ端末を用いて現場での管理を効率化できる、製造業向けの原価管理クラウドシステムです。バーコード入力によって自動で品番ごとやロットごとの原価管理を実現できます。化粧品・食品・医薬品・産業機械装置・組立品をはじめとした、幅広い製造業のDXに対応可能です。
- 「どっと原価」
「どっと原価」は、建設業向けの原価管理システムです。社内情報の一元化によって、工事部門・経理部門・経営層の連携強化に役立てられます。最小限の入力で現場の負担を抑えながら、必要なデータを一元管理して、工事管理の標準化と効率化を実現します。
- 「J-CCOREsクラウド」
「J-CCOREsクラウド」は、鉄鋼業をはじめとした製造業に適した原価管理システムです。製造業の原価計算で用いられる「ころがし計算法」に対応し、製造原価を正確に算出します。累加法と非累加法の双方で計算結果を確認できるので、自社の業務に合わせて原価計算を効率化できます。
関連記事はこちら SaaSの販売管理システムおすすめ10選|魅力や選び方のポイント
SaaSの原価管理システムを導入するメリット・デメリット
SaaSの原価管理システムを導入するメリット・デメリットを解説します。SaaSのシステムとよく比較されるのが、社内にシステムを構築して自社で運用を担う「オンプレミス型」のシステムです。原価管理システムを選定する担当者の方は、オンプレミス型と比較しながら、自社のビジネス要件に適した提供形態を選びましょう。
メリット
- 導入にかかるコストが比較的少ない
原価管理システムを導入する際は、一定の費用や時間がかかります。なかでもオンプレミス型は、機器の購入費や設置作業費などがかかるので、初期費用が高額な傾向にあります。それに対して、SaaSの原価管理システムはインターネット環境さえあれば利用できるので、オンプレミス型と比べて初期費用を抑えやすいのがメリットです。
また、同様の理由からSaaSの原価管理システムは機器の設置を伴わないため、導入が比較的容易であり、導入準備から運用開始まで短期間で進められます。一方、オンプレミス型はシステム構築や機器の設置を含めて導入の手間が多くなるので、導入開始までの時間が長くなります。
以下の比較表では、SaaSとオンプレミス型の違いを表形式でまとめています。それぞれの形態の特徴を比較検討してみてください。
SaaS | オンプレミス型 | |
---|---|---|
カスタマイズ性 | 低い~高い | 非常に高い |
導入までの時間 | 短い | 長い |
導入費用 | 安い | 高い |
- 維持・管理がしやすい
SaaSの原価管理システムの保守は、基本的にベンダー側が担います。そのため、企業はシステムのアップデートや定期メンテナンスをベンダーに任せることが可能です。オンプレミス型のように、社内システムの維持管理の作業を自社で担う必要がありません。システムの維持・管理にかかる手間まで外部委託できます。
デメリット
- ランニングコストがかかる
SaaSの原価管理システムは、初期費用を抑えられるものの、利用を継続する限り月額費用が発生します。ただし、システムを導入することで業務効率化が実現できれば、日常的な作業時間を大幅に減らすことができ、それに伴いコスト削減も期待できるでしょう。
ランニングコストがかかるものの、コスト削減の効果を得られる可能性があるので、費用対効果を踏まえて導入を検討するようおすすめします。
自社の目的に適したSaaSの原価管理システムを選びましょう
ここまで、おすすめのSaaSの原価管理システム10選と併せて、主な機能や選定のポイント、導入のメリット・デメリットをお伝えしました。SaaSの原価管理システムは、オンライン上でサービスを利用できるので、導入にかかる費用と手間を抑えられるのが魅力です。数あるシステムの中でも、幅広い業種や規模にマッチする汎用性の高いシステムをお探しなら、「楽楽販売」をおすすめします。売上と原価を紐づけて自動計算する機能により、原価管理の効率化が可能です。原価管理のほかに見積書や請求書などの帳票発行にも対応できるので、販売管理業務全体がラクになります。
「楽楽販売」の導入メリットや料金プランについて、詳しくは無料のダウンロード資料でご案内しています。SaaSの原価管理システムを検討している販売管理担当者の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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