販売管理とは|販売管理を行う目的と業務の流れ、システム選びのポイントまで解説!
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
販売管理とは、サービス・商品を販売する際に発生する「モノ」「カネ」の流れやその業務を管理することを指します。販売管理において発生する業務は、受注前の見積もり作成から受注した後の請求書発行、入金・売上管理、商品の納品のために必要な発注・出荷の管理まで多岐にわたります。そのため、管理するべきデータや関係する部署も多く、業務は煩雑になりがちです。
この記事では、基本的な販売管理の目的・業務の流れや販売管理システムの選び方、おすすめのシステムまでご紹介します。ぜひ販売管理業務効率化の参考にしてみてください。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
販売管理とは?
ビジネスにおいて、販売とは商品やサービスを提供してその代金を受け取ることを意味します。企業として売り上げをあげ、利益を得るための基本的な業務の総称が販売です。
企業活動において重要な意味を持つ一方で、あまりにも当たり前の業務であることから「販売を管理すること」について意識したことがないという方も多いようです。
しかし、販売を行うには商品やサービス、顧客などの多くの情報が必要となります。さらに契約書や請求書の作成など業務は非常に多く、場合によっては同じ組織内でも複数の部門をまたがなければならないケースもあります。
だからこそより効率的に、そして高精度に業務をこなすためには、取引先の顧客情報や取引の内容、そして受注から出荷、請求、仕入、在庫といった販売プロセスを総合的に管理し、最適化していくことが求められるのです。これを「販売管理」といいます。
販売管理において重要となるのは、「どの商品やサービスを」「誰に対していくつ、いくら」で販売して「どのようにして代金を回収するのか」を整理することです。販売のプロセスとしては商品やサービスの詳細、顧客、価格、在庫、生産数量、請求などの販売にまつわるあらゆる情報の管理が必要となります。
販売管理の目的
ビジネスにおける管理業務には必ず目的があります。販売管理も例外ではありません。
上記の概要と重複する部分もありますが、ここでは販売管理の目的をいくつかのポイントに分けてご紹介します。
収益の確保
販売管理のもっとも大きな目的は、収益・利益の確保です。販売管理をすることで、受注から請求までの流れを適切に管理することによって収支の状況を可視化できます。
つまり、どの商品が「いつ」「誰に」「いくつ」売れて「いくら」売り上げ・利益が出たのかというお金の流れが明確になります。
さらに、売り上げ情報や実績なども分析しやすくなるため、より収益をアップするための対策立案も可能です。
管理業務の効率化
販売管理は受注から請求までのあいだの人員と在庫、金銭の管理を一度に行います。
販売には部署をまたいだ多くの業務が関わっていますので、適切に管理することで業務効率の改善にもつながります。
例えば商品の注文を受けた際、「在庫があるのかどうか」「他部署の受注状況はどうか」「在庫がない場合の納期はいつになるのか」「納品した商品の請求は済んでいるか」などの確認すべき項目は多岐にわたります。注文を受けたのに在庫がなかった、となれば顧客の信頼を落としてしまう可能性もあります。
このような確認事項が適切に管理できれば、作業の重複や手戻り、伝達漏れ、人的ミスといった無駄やトラブルの軽減を実現でき、結果として業務の品質向上にもつながります。
トレンドをおさえた販売予測
販売に関するあらゆる情報を一元管理しておくことで、蓄積された販売データをもとに、商品の売れる時期や目安などのトレンドをおさえた予測ができます。これにより商品を無駄なく仕入れることができ、さらには過剰在庫に陥る心配も減ります。
また、年代や性別によっても売れ筋は変わるものです。顧客の過去の行動履歴をもとに分析を行い、マーケティング戦略に反映すれば、新しい商品の取り入れや新規アイディアの創造、売れ筋が悪い現状商品の改善といった、企業が前進するきっかけもつかむことができるでしょう。
関連記事はこちら売上予測って何?売上目標との違いと予測方法をご紹介
顧客満足度の向上
販売管理では、商品やお金の流れに関する情報だけではなく、取引先の顧客情報を適切に管理することも欠かせません。
顧客満足度の向上も販売管理の目的のひとつです。販売業務を効率化し、顧客情報を適切に管理することによって顧客の要望に対してスピーディに対応できるようになります。
適切な顧客情報管理とは、一例として、顧客ごとに過去の実績や進行中の取引情報を紐付けておくことなどが挙げられます。これにより急な担当者の変更にも顧客に迷惑をかけずに対応できたり、取引書類のフォーマットを流用して迅速に手続きを行ったりなど、顧客の負担を軽減できます。
結果として、顧客満足度の向上や、信頼関係の構築につながると考えられるのです。
販売管理業務の流れ
上記の通り、販売管理には明確な目的があり、多くのメリットがあります。とはいえ、具体的に何をすればいいのかわからないという方も多いでしょう。
販売管理は受注管理→出荷管理→請求管理→仕入管理→在庫受注から請求までの流れを適切に管理することによって収支の状況を可視化できます。管理という流れが一般的ですが、ここでは、販売管理の流れについてフローごとに具体的にご紹介していきます。
受注管理
最初のステップは受注管理です。受注管理は大きく「見積もりの作成・提出」「契約の締結」「受注処理業務」の3つに分けられ、複数担当者による複数の業務が発生します。
1. 見積もり依頼・内容確認 |
2. 発注 |
3. 仕入・検品 |
---|---|---|
販売先となる企業に対して、見積書を提出する。社内承認フローが発生するケースも多い。 | 顧客情報や納期や金額、支払い方法、免責事項などの契約内容に合意し、契約書を締結する。 | 販売先から注文書を受領し、生産部門・サポート部門・経理担当など、後工程で作業が発生する部門に連携。 |
それぞれのステップについて詳しく解説します。
見積もりの作成・提出
まず、案件が発生したら、顧客から「いつまでに、何を、どれくらい欲しいのか」を聞き取って見積もりを作成します。
見積もりは金額や数量、納期などを顧客に提案するためのものです。そのため一度提出すれば終わりというわけではありません。取引の交渉道具のひとつでもあるため、ひとつの案件に対して数回作り直すこともよくあります。そのため、データが煩雑になりがちです。
最終的な見積もりデータを識別できるように時系列が分かるようにするなど、適切に管理することが重要となります。
契約の締結
初めての取引先や新規の取引内容についてはまず契約の締結が必要です。
契約の締結は顧客との関係を示すものであり、顧客情報や納期や金額、支払い方法、免責事項といった詳細な契約内容についてを明確にし、双方で同意する必要があります。
受注業務
受注業務ではこれまでの見積もりや契約書などの情報を確認しながら進めていきます。正式に受注した情報に基づく注文書の作成・送付が重要です。
受注した内容は、生産部門や生産管理部門の担当者に共有します。そこで初めて次のステップである出荷作業に進むことができます。
なお、これらの情報は業務実績となります。データベース化して適切に管理することで、過去の取引実績をいつでも参照でき、今後の営業戦略などに役立てられます。
関連記事はこちら受注管理とは?詳しい業務内容とシステム導入に向けた流れを解説
出荷管理
業種によっては、受注が決まると出荷、納品業務へと進みます。企業の規模によっても異なりますが、出荷に必要な業務の管理も重要です。
納期に合わせて商品の生産や梱包、発送などのスケジュールを組みます。こちらも当たり前の業務ですが適切な管理ができていなければ納品ミスや納期遅れの原因となります。
- 出荷
- 納品
この2つの業務にまつわる管理の内容を確認していきます。
出荷業務
まず納期に合わせて出荷スケジュールを組みます。こちらも当たり前の業務ですが適切な管理ができていなければ納品ミスや納期遅れの原因となります。
注文書に基づいて出荷担当者に出荷指示書を発行し、商品の生産や仕入れ、梱包、発送などを滞りなく進めます。
納品業務
顧客の注文通りに正しく納品できたら受領印をもらい、納品業務が完了します。配送業務を外部委託している場合は、納品の進捗状況の確認も管理業務のひとつになります。
加えて、納品物の保守管理を行う場合は、その内容を控えておく必要があるでしょう。
関連記事はこちら出荷・納品管理とは|業務内容と管理システム比較5選
請求管理
請求業務は、以下の2つのセクションに分けられます。
- 請求
- 回収
請求業務
契約の内容によっても異なりますが、請求の方法は「納品を確認したタイミング」「25日締め/翌月末払い」などさまざまなパターンがあります。
納品のたびに支払いを行う場合は毎回請求書を発送する必要があります。
回収業務
回収業務では顧客から実際に支払われた代金と請求した金額が一致しているのかを確認し、期日までに正しく入金されたことが確認できたら入金伝票を作成し、消込作業を行います。
万が一、期日までに入金が行われない場合や額が異なる場合には、担当者から状況確認を行ったり、経理部から督促の連絡を送ったりといった対応が必要です。
支払いの回収までが顧客との取引なので、どの取引に入金があり、どの取引の支払いが遅れているかなどがスムーズに確認できなければなりません。販売管理の目的でもっとも重要なことは収益・利益の確保ですから、入金の管理は非常に重要な業務といえます。
関連記事はこちら請求業務とは|業務の流れと注意点をご説明
関連記事はこちら請求書管理や整理方法の基本とは?発行側・受領側それぞれの対応
仕入・在庫管理
最後に、次の取引に備えるために、仕入と在庫の管理を行います。
- 仕入
- 在庫
仕入業務
販売にあたって商品の仕入が必要な場合は、購買先への商品の発注を行います。購買先が決まっていない場合は、複数社へ見積もりの提出を依頼し、選定した取引先と契約を結びます。
その後、数量や金額、納品場所などを記載した注文書を作成・発行し、仕入れされたものは必ず検品してから、支払いを行います。この一連の作業が仕入れ業務にあたります。
在庫管理業務
商品を出荷したことで在庫が足りなくなればスムーズに出荷することができませんし、逆に過剰に在庫を抱えていると倉庫の賃貸料が嵩んだり、オペレーションが複雑化して人件費が必要になったり、古いものを廃棄処分しなければならなかったりと、余計な経費がかかります。
過不足のない在庫量を過去の実績から判断して在庫量を管理し、最適化していく必要があります。
関連記事はこちら仕入管理って何?仕入管理業務の流れと目的についてご説明
関連記事はこちら販売管理業務の流れとは|経営で重要な業務フローをご説明
販売管理システムを導入するべき理由
従来、販売管理は紙やエクセルを使って手作業で行われるのが一般的でしたが、近年では多くの企業や組織で販売管理システムが導入されてきています。
ここでは、販売管理システムが多くの企業や組織で必要とされる理由や販売業務の課題点をご紹介していきます。
共有漏れによるヒューマンエラーを防ぐことができる
多くの企業では、すべての業務を1人の担当者が行うわけではなく、業務ごとに分担して進めていきます。例えば営業や受注は営業部の担当者が、請求書の発行や入金の確認は経理部の担当者が、というように役割分担をしているのが一般的です。
そのため、部門間での販売情報の共有が必要不可欠です。各部門の担当者に情報が伝わっていないと、納期遅れや発注ミス、請求漏れなどが起きる可能性があるためです。重大なトラブルにつながるケースもあるので、情報の共有漏れがないように常に意識しておく必要があります。
情報共有については徹底するだけでなく、精度にも注目が必要です。紙やエクセルで情報の共有・管理を行っている場合、「必要な情報がどこにあるのかわからない」「更新された情報が最新のものなのか判断できない」などの問題が起きる可能性があります。販売管理が属人化していると、担当者の不在時に状況確認ができず、業務に支障をきたすことも考えられるからです。
このように、情報の共有や引き継ぎに問題がある場合は、フローの見直しや販売管理システムの導入などで正しい情報を共有できる体制を整えることが求められます。
販売管理システムによって常に最新情報を共有できると、これまで頻発していた「注文を受けたものの在庫がない」「顧客への請求が漏れてしまう」といったトラブルを回避できます。
また、部署をまたいだ管理ができるため、伝達漏れや入力ミスといったヒューマンエラーも減少します。
情報を一元化して業務改善に活かす
販売管理システムを使用せず、エクセルなどへの手作業で管理を行う場合、どうしても担当者レベルで管理情報を抱え込んでしまい、部署をまたいだ情報の一元化が難しくなります。結果として、販売や在庫計画を立てることができず、過去のデータを分析することもできません。
情報化社会の渦中にある今日のビジネスにおいて、データの一元化はとても重要なポイントです。手作業での情報一元化にはどうしても限界があり、多くの企業や組織で大きな課題となっています。
販売管理システムは、販売管理に関係するあらゆる部署のメンバーがアクセスして情報を蓄積し、一元化できるというメリットがあります。それだけでなく、継続的に販売データを蓄積することで、過去データを分析して今後の営業戦略の立案に役立てることもできます。
入力・確認などの作業効率が上がる
紙やエクセルなどで販売情報を管理している場合、各部門の入力・確認が滞る可能性があります。各担当者がローカルフォルダで情報を管理していると、情報を集約するまで進捗状況の把握ができず、利益やリソースの予想が立てられません。
また、見積書などの承認フローを紙ベースで行っている場合、上司が不在の際に迅速な対応ができず業務が滞るといったことも発生するでしょう。
販売管理システムの導入によって、進捗や販売情報の可視化、承認フローの簡素化を図ることができれば、入力や確認作業にかかる時間のロスを軽減できるため、業務全体の効率化につながります。
戦略的な営業・販売計画が立てられる
戦略的な販売計画を立てるには、商品の販売状況や在庫状況などのデータが必要不可欠です。しかし販売業務には多くのフローがあり、複数の部門にまたがるケースも多いでしょう。充分な情報共有ができていなければ、戦略的な販売計画が立てられない原因となります。
販売管理システムを導入によって部門間の情報共有をスムーズに行うことで、このようなお悩みを解決することができます。
例えば、購買担当者が昨年の売上データを見ながら今年の仕入れ商品や仕入れ時期を決めたり、営業担当が在庫状況を確認しながら効率的に営業活動を行ったりといったことが可能になります。
関連記事はこちら販売管理システムとは?主な機能や種類、システム選びのポイント
販売管理システムの選び方
前述の通り販売管理システムにもさまざまなものがあり、そのなかから自社に適したものを選ぶ必要があります。
ここでは販売管理システムの選び方をご紹介していきます。
自社の業種や業態にマッチしているか
単に販売といってもさまざまな形があり、適した販売管理システムも企業や組織によって異なっています。
一般的な販売管理システムは幅広い業種や販売スタイルに対応できるものが多いですが、なかには特定業種に特化したものもあります。
例えば、システム開発を行うSIerなどの業種では、契約管理やプロジェクト管理、エンジニアの工数管理が必要になることが多いでしょう。また、昨今急激に発展しているサブスクリプション型のビジネスを行っている企業であれば、月額・従量課金による請求ができる機能があるかを確認しておく必要もあります。
自社の業務内容を改めて整理し、機能に過不足があるシステムは除外してメリットの多い最適なシステムを選びましょう。
関連記事はこちらカスタマイズは必須!販売管理システムを選ぶ3つのポイントと導入事例
導入後のサポート体制
販売業務は企業にとって基幹のひとつですので、システムトラブルなどを理由に業務をストップできません。
そのため、導入した後にどういったサポート体制があるかもシステム選びの際は重要です。問い合わせ方法や対応時間、休日対応についてもしっかりチェックしましょう。
リスク管理は万全か
サポートとは別に自社内で発生するリスクを防げるかどうかも、重要な選定ポイントとなります。
管理システムはすべての販売業務が紐づいていますが、なかには編集をされたら困るものや、他部署の閲覧が禁止されているものがある場合も考えられます。
これらのデータを守るためには、アクセス権限の管理をどこまで細かくできるのかが重要です。データを守るために、アクセス権限やユーザー管理が細かく行える製品を選ぶと良いでしょう。
関連記事はこちら販売管理ソフト7つを比較!自社に合ったシステムを選ぶポイントとは
販売管理システムは「楽楽販売」がおすすめ
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まとめ
販売はビジネスにおいて重要なセクションであるからこそ、管理が重要となります。とはいえ、販売には多くの業務が関係していることから管理も難しくなりがちです。
そこで、管理ツールを活用することによって効率的で精度の高い販売管理を実現できます。導入する際のポイントツール比較は、下記記事で詳しく説明しています。
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ぜひ参考にして、自社への導入を検討してみてください。
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