エクセルで受注管理を行うメリット・デメリット|業務改善の方法は?
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
多くの企業で導入されているMicrosoft社の「エクセル(Excel)」は、受注管理でも活用できるソフトです。しかし、低コストで運用できる一方で、管理に手間がかかり、ミスが起こりやすいという注意点もあります。受注管理業務の効率化へ向けて、改めてエクセル管理のメリット・デメリットを確認してみましょう。
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この記事の目次
受注管理をエクセルで行う3つのメリット
Microsoft社が提供するエクセルは、世界各国で利用されるビジネスツールです。エクセルを受注管理に役立てる際のメリットとして、以下が挙げられます。
導入コスト・ハードルが低い
エクセルは、Officeライセンスを購入していれば導入可能なツールです。ワード(Word)と並んでビジネスシーンにおけるスタンダードなツールの一つであり、すでに導入している企業も少なくないでしょう。こうした既存のツールを活用してデータ管理を行えば、新たな費用負担は発生しません。また、社会人にはエクセルの使用経験がある人が多く、導入にあたり社員教育や研修が不要な点で、人件費の削減が期待できます。デザインを自由にカスタマイズできるため、自社独自のテンプレートを簡単に作れるのも魅力です。
豊富なデータ処理機能を使える
エクセルが有する機能の中でも、作業の手間や時間の短縮に有効なのが「マクロ機能」です。マクロ機能とは、エクセル上で行った一連の操作をあらかじめ記録し、ワンクリックで動作を繰り返して自動化する機能です。エクセルのマクロ機能を活用すれば、データ入力や更新の作業を効率化できます。さらに、「VBA(Visual Basic for Applications)」というプログラミング言語を使用すれば、自社独自のプログラムを組むことも可能です。やや複雑な作業を自動化できるのも大きなメリットだといえるでしょう。
外部システムと連携しやすい
外部システムとの連携のしやすさも、エクセルのメリットのひとつです。エクセルには、データをCSVファイルとして出力したり、PDF化したりする機能が搭載されています。スタンダードなビジネスツールであるため、エクセルとの連携を考慮して設計されたシステムが多数存在するのもポイントです。たとえば、エクセルからデータ入力を行い、データの収集・集計・統合を自動で実行できるシステムもあります。こうしたシステム連携により活用の幅がさらに広がるでしょう。
受注管理をエクセルで行う際に注意したい4つのデメリット
エクセルは手軽に導入できるのが魅力ですが、以下のようなデメリットもあります。エクセルで管理表を作成する場合は、これらの注意点を押さえておきましょう。
入力ミスが起きやすい
エクセルで受注管理を行う場合、データを手入力で転記することになるため、人為的なミスが起きやすいといえるでしょう。ダブルチェックによる確認作業などの工夫によってリスクを軽減できますが、その分作業の工数が増えて効率が低下してしまいます。また、万が一、受注内容にミスや漏れがあると、取引先が指定した納期までに商品を届けられないといったトラブルにつながるおそれもあります。場合によっては大きなクレームに発展する可能性があるため、入力ミスには十分に注意しましょう。
データの共有が難しい
一つのエクセルファイルを複数人で管理する場合は、複数人で同時にファイルを開いて編集できないのが難点です。また、ファイルは共有フォルダやサーバー上に保存して管理するのが一般的ですが、担当者がローカルコンピュータにダウンロードしたままアップロードを忘れてしまうと、他のメンバーが最新データにアクセスできなくなってしまいます。このように、データ共有が難しいのはエクセル管理のデメリットだといえるでしょう。受注管理のプロセスで作業が滞ると、後の売上管理・請求管理・仕入管理などにも影響を及ぼすため、スムーズに情報共有できる仕組みを整えておくことが重要です。
互換性に関して懸念がある
エクセルは定期的に新しいバージョンがリリースされるため、過去のファイルが正常に機能しなくなる可能性があります。特にマクロ機能を活用している場合は、バージョンの違いによって過去に作成したマクロの動作に支障が出るケースがあるため注意が必要です。また、過去のデータを古いバージョンのファイルで保管している場合は、互換性の問題からファイルの一部を再現できず、履歴の管理ができなくなるおそれがあります。古いデータを長期的に保管する際も注意が必要です。
データの増加に伴い処理速度が落ちる
受注業務のデータは日々社内に蓄積されていくため、エクセルファイルに上書きしていく管理方法では処理速度の低下が懸念されます。ファイル内のデータ量が多くなると、動作が著しく遅くなって業務効率が低下しかねません。たとえばファイルを開いたり軽微な修正をしたりするだけで多くの待ち時間が発生してしまうこともあります。そのため、処理速度が落ちないように、古いデータを別のファイルへ移行したり削除したりなど、定期的なケアが必要です。このように、管理の手間がかかるのもエクセルのデメリットと言えるでしょう。
エクセルで受注管理を行う際に必須の項目は?
エクセルによる受注管理では、カスタマイズの自由度が高く、自社独自のフォーマットを作成できるのが魅力です。その一方で、書式の自由度が高いからこそ、どのような管理項目を設定すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、エクセルで効率的に受注管理を行うために、テンプレートに盛り込みたい項目を紹介します。
エクセルで受注管理のテンプレートを作成するなら、主に以下のような項目を登録しておくと、検索性が高くなるため便利です。
- 会社名
- 担当者の氏名
- 連絡先(電話番号、メールアドレスなど)
- 商品・サービスの分類や種別
- 商品・サービス名
- 数量
- 商品の単価
- 注文日
- 納期
- 納品方法
- ステータス(受注した商品の対応状況)
これらの項目は、過去の受注データの検索条件として活用できます。たとえば、過去に特定の商品をいくらで受注したのかを知りたいとき、エクセルの検索機能を使って「商品・サービス名」を指定すれば、該当する注文内容を速やかに抽出できます。また、エクセルのオートフィルター機能を使えば、受注データを会社別や商品種別などの特定の条件で並び替えることも可能です。
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覚えておきたい!受注管理に便利なエクセルの関数
エクセルで受注管理を行う場合は、関数を利用すると便利です。ここでは、複雑な受注管理のために役立てられる、エクセルの関数をご紹介します。
INDIRECT関数
指定した文字列の値を参照して表示する関数です。受注管理においては、セルに入力規則を設定する場面で役立てられます。指定した範囲の値以外は入力できなくなるため、手入力によるミスの削減が期待できます。
SUMIF関数
指定した範囲から条件に合致する値を検索し、合計を集計する関数です。受注管理で利用すると、特定の商品・サービスの受注金額を調べるといった場面で役立てられます。売れ行きが好調な商品・サービスを速やかに確認できます。
VLOOKUP関数
縦列の指定した範囲から条件に合致する値を検索する関数です。数式末尾の検索の型を「TRUE」に設定した場合は条件にもっとも近い値を取得し、「FALSE」に設定した場合は条件と完全に一致する値を取得します。膨大な受注管理データの中から、必要なデータを効率的に探し出す際に役立ちます。
IFERROR関数
数式のエラーの有無をチェックして、エラーがある場合に指定した値を表示する関数です。たとえば、エラーがある場合に「計算エラー」などの文字を表示させると、速やかにミスを発見できるようになります。受注管理において、入力ミスや誤操作などのヒューマンエラーを防ぐために役立ちます。
複雑な受注管理にはシステムを導入するのもおすすめ
今や多くの企業が利用しているエクセルですが、受注管理で活用する場合はメリットもあればデメリットもあります。現状の業務効率や正確性などに疑問や不満を感じているなら、ツールを見直してみるのも良いでしょう。複雑な受注管理には、システムを導入するのもおすすめです。
受注管理システムを導入すれば、受注に関する情報の一元管理が可能となります。また、エクセルによる管理とは異なり、情報共有やデータの保管、互換性に関する心配がありません。受注管理をスムーズに進めたいと考えている企業様は、ぜひシステム導入をご検討ください。
受注管理システムの魅力
受注管理システムとは、商品の受注から出荷までの受注プロセスを効率化するシステムを指します。受注処理・在庫管理・出荷管理といった受注業務をサポートする便利な機能が搭載されているのが特徴です。
さらに近年は、受注管理システムと販売管理システムの役割を兼ね備えた、販売プロセス全体を一元管理するシステムも登場しています。たとえば、受発注業務や請求業務のほか、仕入管理・在庫管理・顧客管理まで、モノとカネの流れを一目で把握できます。次の工程へ引き継ぐ際のタイムラグをカットできるのが魅力です。製品が顧客の手に届くまでのリードタイム短縮につながり、結果として顧客満足度の向上も期待できます。
関連記事はこちら受注管理とは?詳しい業務内容とシステム導入に向けた流れを解説 |「楽楽販売」
受注管理システムを選ぶときの注意点
受注管理システムの導入には、初期費用や月額費用などのコストが発生します。高機能なシステムは、これらの費用が高額となる傾向にあることを押さえておきましょう。導入の際は費用対効果を考慮して、自社の受発注管理に必要な機能を見極めることが大切です。自社の取引形態に適したシステムを選定するために、複数社のシステムを比較検討すると良いでしょう。
また、エクセルから受注管理システムに切り替えるなら、従来のエクセルのデメリットをカバーできるかどうかが重要となります。そこでおすすめなのが、クラウド型システムの「楽楽販売」です。
「楽楽販売」はクラウド型のため、エクセルが不得意とするデータ共有に長けています。インターネットに接続できるデバイスさえあれば、速やかにデータへアクセス可能です。本社・工場・倉庫といった離れた場所でもリアルタイムでデータを共有できるようになるので、進捗状況の把握に役立つでしょう。もちろん、同時編集にも対応しています。複数人で作業できるため重要な数値の相互チェックも容易で、仕事の属人化によるヒューマンエラー対策にもつながります。
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エクセルによる受注管理を見直して業務効率化を実現!
エクセルは受注管理にも使える汎用性のあるソフトですが、データ量が多くなると動作が重くなります。加えて、複数人での同時編集に対応できず、業務で活用するには限界があります。顧客満足度や従業員の生産性を左右する業務効率化は、多くの企業の課題です。現在エクセルで行っている受注管理を専用システムにシフトして、さらなる効率化を実現しましょう。
社内の受注管理を一元化できる「楽楽販売」は、電子帳簿保存法にも対応しています。スムーズなデータ共有を叶えるだけでなく、ペーパーレス化によって原本管理コストの削減も期待できます。業務効率化を検討中の担当者の方は、ぜひ「楽楽販売」の導入効果・費用をチェックしてみてください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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