Excel(エクセル)で誰でも簡単に!
顧客別で売上管理をする手順とポイント

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
売上管理をエクセルで行う際は「データを縦方向に並べる」「余計な空白行を入れない」「項目名の行を固定する」という3つを押さえておきましょう。
今回はエクセルで売上管理をするための基本的なポイントから、顧客別の売上管理表の作り方まで解説していきます。「エクセルでもっと上手く売上管理をしたい!」とお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
顧客が増えてきたら、
売上管理システムがおすすめ!
エクセルは同時編集に弱いため、複数人でデータを扱うことには向いていません。またデータ量が多くなると、人的なミスも起こりやすく、余計な管理工数が発生してしまうことも。
「顧客数が50件以上になった」「入力ミスなどの対応が増えてきた」などの場合は、売上管理システムの導入がおすすめです。
目次
売上管理表とは
売上管理表とは、企業活動で発生する売上に関する数値を管理し、売れ行き状況のチェックや目標達成度の確認、部門間・チーム別の売上進捗の把握や各顧客との取引状況などを確認するための図表です。企業によってエクセルで管理する場合や販売管理システムを利用する場合などさまざまですが、ほとんどの組織で活用されています。
ここでは、売上管理を行う目的や対象となるデータについて詳しく解説します。
売上管理を行う目的
そもそも、売上管理は何を目的として実施されるのでしょうか。売上管理の主な目的は、さまざまな売上データを多角的に分析して現状の課題を発見したり、将来的な売上目標・売上見込みなどの試算を行ったりすることです。売上管理を行うことで、例えば製品ごとの売上データから好調なものとそうでないものを抽出し、両者の要素を比較することで個々の課題や成功例を分析したり、月ごとの売上データから繁忙期と閑散期の予測を立てたりすることができます。
関連記事はこちら売上管理|売上管理の方法と効率化のすすめ方も紹介
売上管理の対象となるデータ
売上管理の対象となるデータは用途や分析の目的によってさまざまですが、基本的にはあらゆるデータが用いられます。例えば、10年単位での長期的な月売上データから業績の好調・不好調を予測したり、部署やチームごとの売上データから目標の達成度を図ったりすることが可能です。ほかにも、広告宣伝費に対する売上比率を分析することで広告戦略の有効度を推察でき、前月度比・前年度比の結果と現状の成果を比較して課題を発見する時にも、売上管理で蓄積されたデータを活用できます。
このように、さまざまなセグメントで売上の状況を推し測るために、幅広いデータを売上管理表のなかで活用できる状態を目指すのが望ましいと言えます。
関連記事はこちら販売管理をエクセルでスムーズに!3つの課題とシステム導入のメリットとは
基本的なポイント
エクセルで売上管理をするには、まずデータベースを作成する必要があります。このデータベースの作成が不十分であれば、非常に使いにくいものになってしまう可能性があります。普段はあまりエクセルを使わないという方は、データベースを作成する前に基本的なポイントを確認しておきましょう。
データは縦方向に並べる
例えば、「株式会社A」に「ボールペン」を「100円」で売ったというデータを管理できるデータベースを作成する場合、データベース上のそれぞれの項目は「顧客名」「商品名」「単価」などになります。このとき、これらの項目を横方向に並べ、その下に「株式会社A」「ボールペン」「100円」のようなデータを入力するようにします。それぞれの項目のデータが、縦に並ぶようになります。ここで項目が縦に並びデータが横に並ぶような表を作成してしまうと、エクセルに用意されている便利な機能を使うことができなくなってしまいます。機能の具体的な例としては、見たい項目だけを表示させる「フィルター機能」や、データの並び替えが簡単にできる「並び替え機能」などです。エクセルでの売上管理において、これらは非常に便利な機能です。そのため基本的には、データが縦方向に並ぶようにデータベースを作成しましょう。
1行空けない
エクセルに慣れていないと、「できるだけ見やすいデータベースを作成しよう」ということで1行ずつ空けてデータを入力する方がいらっしゃるかもしれません。確かに見た目はすっきりするかもしれませんが、続けてデータが並んでいないと先ほどの「フィルター機能」や「並び替え機能」を利用することができません。見やすさを調整するには、セルの高さを変更するなどの方法を試してみると良いでしょう。
項目を固定する
売上管理は、日々データが増えていくものです。データベースを作成してしばらくすると、入力するためにスクロールしなければならなくなります。そのとき、「顧客名」「商品名」「単価」などの項目も一緒にスクロールされてしまうと、表の見やすさが損なわれることになります。それを防ぐための方法として、スクロールしても項目はそのまま動かないように設定することができます。設定は簡単で、データの最初の行を選択し、エクセルの「表示」タブから「ウィンドウ枠の固定」を選びます。これでデータが増えてスクロールすることになっても、項目は移動することなく固定しておくことができます。
関連記事はこちらExcel(エクセル)での顧客管理データベースの作り方って?項目と手順をご紹介
関連記事はこちら【無料フォーマット】顧客管理のためのエクセルテンプレート6選!
顧客別の売上管理
先ほど紹介した並び替え機能やフィルター機能を使用すれば、項目ごとにデータを閲覧することができます。これを利用して、顧客別の売上管理をすることも可能でしょう。しかしこの方法では、顧客別の売上金額がすぐにはわかりません。人の手で計算して合計を出すこともできますが、見落としや計算ミスの恐れがあります。これを解決してより便利な顧客別の売上管理を実現するためには、「SUMIF関数」を利用します。SUMIF関数は指定した条件の値だけを合計してくれる関数で、「=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)」のようにして使います。
1.顧客別の表を作る
まずは、売上管理をしている表とは別に、顧客別の表を作成します。そして、例えば売上管理の表から「株式会社A」だけの合計を表示したい場合は、顧客別の表の「株式会社A」の「金額」などのセルに「=SUMIF(」と入力します。
2.検索範囲の指定
次に、検索範囲を指定します。今回は顧客別に合計を表示したいため、売上管理をしている表の「顧客名」が入力されている範囲をドラッグします。すると、先ほど入力した数式に自動で範囲が入力されます。例えばC列の5行目から23行目を範囲として指定したなら、「C5:C23」と表示されます。この際、今後検索範囲がズレないようにするため、自動で入力された範囲を「$C$5:$C$23」のように書き換え、その後ろにカンマを打ちます。
3.検索条件の指定
範囲と検索条件を指定できたので、最後に合計範囲を入力します。範囲としては、売上管理をしている表の「売上金額」が入力されているセルを縦にドラッグして選択します。すると数式に範囲が追加されるので、検索範囲を指定したときと同じく「$C$5:$C$23」のように書き換えます。数式の入力は以上なので、最後に「 )」を入力して数式を閉じ、エンターキーを押します。これで、売上金額のうち「株式会社A」だけの合計が表示されます。
4.他の顧客の合計も表示する
入力した数式を下にドラッグしてコピーすることで、他の顧客に関しても顧客別の売上合計が表示されます。例えば株式会社Aの合計が表示されているセルをドラッグすることで、株式会社B、株式会社Cなどに関しても、顧客別に売上合計を表示させることができるようになります。
Excel(エクセル)での売上管理のメリット
簡易的に売上管理をはじめるなら、エクセルはおすすめのツールです。その理由について見ていきましょう。
導入コストがかからない
多くの企業では、既に何かしらの用途でエクセルを利用しているケースがほとんどだと思います。専用のシステムを導入したりセットアップをしたりといった新たな費用や時間が必要ありません。ビジネスのあらゆる場面で日常的に使われていますし、今やエクセルは大学生でも頻繁に使用するアプリです。操作方法などの研修を行わなくても基本的な操作は問題なく行えるでしょう。
このように、導入や研修にコストをかけずに使い始められるのがエクセルの大きなメリットです。
テンプレートが使える
エクセルはユーザー数が多いため、インターネット上にさまざまな書式のテンプレートが公開されています。売上管理の書式をゼロから自分で構築しなくても、テンプレートを使えばすぐにでも取り組めるでしょう。
無料で公開されているものもたくさんあるので、自社のスタイルに合ったものを見つけ出してみてください。
カスタマイズが柔軟にできる
カスタマイズが柔軟にできることもエクセルの大きなメリットです。
エクセルには固定されたフォーマットがあるわけではないので、使いやすいように項目を増減することなども簡単に行えます。さらに、関数を扱うスキルがあれば相関する項目を自動計算したり、グラフ機能を使って独自に分析を行ったりなどの複雑なカスタマイズも可能です。カスタマイズする際の操作方法についても、インターネットで検索すればたくさん見つかります。
ある程度エクセルを使いこなせているなら、自社の業務にあったフォーマットの売上管理表を作ることもそう難しくはないでしょう。
Excel(エクセル)での売上管理の注意点
エクセルで売上管理を行う方法をご紹介しましたが、エクセルでの売上管理にはいくつか注意すべき点があります。まず、エクセルは入力においても自由度が高いためミスが発生しやすいです。顧客名や売上金額などを台帳や注文書から転記している場合、特にミスが起きやすいでしょう。売上が増えていけばいくほどミスが起きやすく、かつ数字が合わなかった場合のミスを探す工数も大きくなってしまいます。また、エクセルでの管理は属人化しやすいという点にも注意が必要です。
上記のようなエクセルでの売上管理の問題を回避するためには、売上管理システムの導入が有効です。クラウド型の販売管理システム「楽楽販売」なら、営業が管理している案件から売上登録を自動で行うことができ、顧客名や金額を転記する必要がないため、ミスを防ぐだけでなく業務の効率化にもつながります。リアルタイムで集計・情報共有が可能なため、属人化も解消してくれるでしょう。
応用編:ピボットテーブルで売上管理を便利に
エクセルを使った売上管理にはいくつかの方法があり、基本的には上記の方法で管理票を作ることで顧客別の売上管理を行うことができます。ですがより売上管理をやりやすくするために、応用編も覚えておくといいでしょう。
例えばエクセルのピボットテーブルという機能を使用することで、効率的に売上管理を行えます。ここでは、ピボットテーブルを使った売上管理の方法をご紹介します。
1.表全体を選択してメニューから「ピボットテーブル」を選択
ピボットテーブルと聞くと「難しそう」というイメージを抱いてしまう方も多いかもしれませんが、実際にはそれほど難しいことではありません。
まずは対象となる表全体を選択します。そしてメニューから「挿入」を選択し、さらにその中から「ピボットテーブル」をクリックします。
すると「ピボットテーブルの作成」というウィンドウが出てきます。そこでOKをクリックします。
2.ピボットテーブルの「枠」の操作
上記の操作を終えると、別シートにピボットテーブルの「枠」が作られます。ここでは、ドラッグ&ドロップで集計したい金額が入力されている列を「値」欄に移動させます。
続いて取引先別に金額を区別するために、売上先を「行」欄にドラッグ&ドロップで移動させます。
さらに、売上月をドラッグ&ドロップで「列」欄に移動させます。
ピボットテーブルの活用方法
上記の操作を行うことで、基本的には元になる表と同じものができます。ではなぜ結果として同じ表になるにも関わらず、わざわざこのような作業を行うのでしょうか。
実は見た目は同じ表であっても、ピボットテーブルを利用することによって効率化されるポイントがあります。例えば、フィルターを使わなくてもすぐに取引先別・請求月、日別のデータを表示することができます。そのため売上明細としてはもちろんのこと、請求・入金管理や売掛金管理などにもそのまま流用できるのです。
ピボットテーブルを使用しての表の作成は直接作成するよりも少しだけ手間がかかりますが、結果としていくつかの業務を効率化できます。これまでエクセルを使って直接表を作成しており、その業務が負担になっているのであればピボットテーブルの活用を検討してみましょう。
まとめ
今回は、エクセルを利用して顧客別の売上管理を行う方法をご紹介しました。SUMIF関数を活用することで、顧客別に合計売上金額が一目でわかるようになります。しかし、エクセルの関数に慣れていない方、あるいはより本格的な売上管理やデータ分析がしたいという方は、販売管理システムを利用すると良いでしょう。より適したツールを導入することで、組織の生産性向上が期待できます。
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記事執筆者情報
楽楽販売コラム編集部 株式会社ラクス 楽楽販売事業部 オンラインマーケティングチーム
リスティング広告やFacebook広告の運用、プロダクトサイトのSEOなど、広くWEB施策に携わっています。楽楽販売のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!
好きな料理は「スパイスカレー」です。
