プロジェクト原価管理とは?重要性や管理の流れ、業務効率化の方法
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
プロジェクト管理では、スケジュール管理・工数管理・品質管理をはじめとして、管理すべき項目が多くあります。その中でも、プロジェクトの原価管理はお金に関わる重要な業務の一つです。
そもそも原価とは、企業が商品・サービスを提供するためにかかる費用のことを指します。原価を管理することで、商品・サービスの適切な価格設定ができ、十分な利益を確保できるようになります。こうした理由から、プロジェクトで利益を出すためには、原価管理が欠かせないのです。
この記事では、プロジェクトの原価管理の重要性や、難しいといわれる原因、システムを活用した業務効率化の方法を解説します。
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この記事の目次
プロジェクト原価管理の基本
まずは前提知識として、以下の原価に関する基本をおさえておきましょう。
原価は売上から利益を差し引いた金額であり、以下の計算式で求められます。
- 売上-利益=原価
また、原価は大きく「材料費」「労務費」「経費」の3つに分けられます。材料費とは、製品・サービスを作るために消費する材料の費用です。労務費とは、人件費のうち製品・サービスを作るためにかかる費用を指します。経費とは、製造設備や電気代をはじめとした上記以外の原価のことです。
関連記事はこちら 原価とは?おさえておきたい原価に関する基礎知識
プロジェクト原価管理とは
プロジェクト原価管理とは、プロジェクトごとの原価を確認して、利益の最大化へ向けて改善を図ることです。管理者は、プロジェクトの進捗や投下工数(=メンバーの仕事の実績時間)などを管理して、原価のコントロールを行います。
現状の原価を正確に把握すると、プロジェクト進行の改善点を見つけられます。これにより、プロジェクトのコスト削減や働き方の見直しといった改善につなげられるのです。
プロジェクト原価管理の目的
プロジェクト原価計算の目的は、プロジェクトの利益を最大化することです。社内の各プロジェクトで原価が最適化されると、最終的には会社全体の利益が最大化されます。プロジェクト原価管理には健全な経営を推進するためのスモールステップの意味合いもあり、非常に重要な業務だといえるでしょう。
以下の関連記事では、原価計算について詳しく解説しています。
関連記事はこちら 原価計算の考え方や5つの目的について徹底解説
プロジェクト原価管理が難しいといわれる原因
プロジェクト原価管理は計算が非常に複雑なため、以下のような課題を抱えている企業が少なくありません。ここでは、プロジェクト原価管理が難しいといわれる原因をご紹介します。
そもそも計算方法が難しい
プロジェクトの原価を算出するには、「費目別原価計算」「部門別原価計算」「プロジェクト別原価計算」の3ステップで計算するため多くの手間がかかります。
①費目別原価計算
まずは原価の費目を「材料費」「労務費」「経費」の3つに分け、さらにそれぞれを「直接費」と「間接費」に分類して集計します。直接費とはプロジェクトに直接関係する費用を指します。一方、間接費とはプロジェクトに間接的に関係する費用のことです。直接費と間接費は、具体的に以下のように分けられます。
【主な直接費・間接費】
主な直接費 | 主な間接費 | ||
---|---|---|---|
直接労務費 | プロジェクトに携わった従業員の給与 | 間接労務費 | プロジェクトに間接的に関わった自社の従業員の給与 例:給与計算を担当する従業員の給与など |
直接外注費 | 外注スタッフにプロジェクト業務を依頼した費用 | 共通費用 | プロジェクトを進める上で間接的に発生する費用 例:水道光熱費・家賃など |
直接経費 | プロジェクトにかかった諸経費 |
主な直接費 | |
---|---|
直接労務費 | プロジェクトに携わった従業員の給与 |
直接外注費 | 外注スタッフにプロジェクト業務を依頼した費用 |
直接経費 | プロジェクトにかかった諸経費 |
主な間接費 | |
---|---|
間接労務費 | プロジェクトに間接的に関わった自社の従業員の給与 例:給与計算を担当する従業員の給与など |
共通費用 | プロジェクトを進める上で間接的に発生する費用 例:水道光熱費・家賃など |
②部門別原価計算
続いて、先ほどの費目別原価計算の結果を、部門別に細かく分けていきます。その際、経費を一定の基準に基づいて各部門へ分配することを「配賦(はいふ)」と呼びます。
原価管理の配賦について、以下の関連記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
関連記事はこちら 原価管理における「配賦」とは?配賦基準の種類と計算方法について
③プロジェクト別原価管理
ここまで①および②で算出した原価をプロジェクト別に集計します。そこで手間となるのが、間接費の配賦です。間接費は「部門個別費」「部門共通費」に振り分けて集計しなければなりません。プロジェクト原価としてそのまま計上できる直接費と異なり、複数の部門に関わるため扱いが煩雑となります。
進行するプロジェクトが複数あるケースが多い
多数のプロジェクトが同時に進んでいるケースでは、原価管理の難易度が高くなります。
社内で複数のプロジェクトが同時進行している場合、共通する間接費の配賦が必要です。配賦率や配賦基準は、それぞれのプロジェクトに費やした作業時間など案件別の状況に基づいて細かく設定しなければなりません。このように、原価管理ではプロジェクトの状況を正確に反映させるために多くの手間がかかります。
労務費が占める割合が大きい
プロジェクトごとに個別原価計算を行う場合、一般的には原価の大部分を労務費が占めることになります。メンバーの労働時間が主なコストになることから、原価管理の精度向上を目指すなら、正確な時間管理が求められるのです。管理者は時間管理に加えて、プロジェクトに関わる多数の項目を明確に把握しなければならないため、負担が大きくなります。
こういった理由から、プロジェクト原価管理は複雑で難しいといわれているのです。
複雑なプロジェクト原価管理をスムーズに行うならシステムの導入がおすすめ
プロジェクト原価管理に対応可能なシステムを導入すれば、難しいプロジェクト原価管理を効率化できます。現状の管理業務の課題を解決するために、ITツールの活用を検討しましょう。
システム導入のメリット1:複雑な原価計算を自動化できる
原価管理システムには、複雑な原価計算を自動化する便利な機能が搭載されています。システムに必要な情報を入力するだけで、自動で計算が完了します。プロジェクトの管理者が複雑な計算をする手間を省き、業務効率化や負担軽減につながるのが魅力です。
システム導入のメリット2:複数のプロジェクトの原価を可視化できる
原価管理システムでは、複数のプロジェクトの情報を一元管理できます。プロジェクト別の収支が自動集計され、リアルタイムで正確なデータを把握できるのが特徴です。スムーズな収支管理で原価率の悪化を速やかに察知して、現場のタイムリーな意思決定をサポートします。
手間がかかるプロジェクト原価管理の課題はシステムで解決!
ここまでプロジェクト原価管理の重要性や、難しいといわれる原因、システムを活用した業務効率化の方法をお伝えしました。プロジェクト原価管理は計算の手間がかかり、管理が煩雑になりがちで多くの企業が課題を抱えています。
専用システムの機能を活用して計算を自動化すれば、業務効率化を実現できるでしょう。数あるシステムの中でもおすすめなのは、プロジェクト管理・原価管理に役立つ機能が充実したクラウド型販売管理システム「楽楽販売」です。
「楽楽販売」の機能を活用すれば、売上・原価をプロジェクトに紐づけて簡単に管理できます。プロジェクトごとの収支をリアルタイムで把握できるので、収支管理の効率化が叶うでしょう。また、システム上で情報を一元管理できるため、現場で原価率の悪化を早急に察知しやすくなるのもポイントです。
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