発注と注文はどう違う?発注の業務フローと発注書発行の基礎知識
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
ビジネスにおいて耳にすることの多い「発注」と「注文」ですが、それぞれの意味や使い分けについて詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は発注と注文の違いや発注業務の流れ、発注書の発行についての基礎知識をご紹介します。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
「発注」と「注文」の違いとは
ビジネスシーンで用いられる「発注書」と「注文書」は、いずれも商品・サービスを購入する側が作成し、提供する側に提出する書類です。
発注と注文は、法律で違いが定められているわけではありませんが、一般的なビジネスシーンでは目的によって使い分けられていることがあります。
使い分けのひとつの目安として、「加工しているかどうか」があります。原材料や部品そのものを購入する際は「注文書」を使用し、加工したものを購入する場合は「発注書」を使うのが一般的です。
他にも、発注は事業者間で使われることが多く、注文は個人で利用する場合に使われることが多いという特徴があります。例えば、「A社に〇〇の製造を発注する」「定食屋で〇〇定食を注文した」といった表現です。
発注の業務フロー
では、一般的な発注業務の流れについて発注者側の立場でご紹介します。
1.見積もり依頼
まず、発注先に見積書を依頼します。見積書には、「商品・サービス内容の明細」「数量」「単価」や「合計金額」といった取引に必要な内容を記載してもらいましょう。提示された見積書の内容によっては、交渉にあたって見積書を複数回発行してもらうことになります。
2.正式に発注(発注書の発行)
見積書の内容を社内稟議に上げて無事発注内容が承認されたら、正式な発注のプロセスに移り、発注書を発行します。
発注書はビジネスにおいて必須というわけではありませんが、取引の詳細や金額の認識のズレなどによりトラブルになることを防ぐためにも取り交わしておくことをおすすめします。この後、発注先から「受注書」を受け取る場合もあります。
3.納品物の検品
発注したものが届き次第、速やかに検品を行います。見積書や発注書と照合し、数量や仕様に違いはないか、仕上がりに不備はないかなどをチェックします。
ここで問題や疑問点がある場合は、すぐに受注者側に問い合わせをしましょう。
4.支払い処理
納品物の検品が問題なく終わると、支払い処理を行います。受注者側から受け取った請求書に基づいて、対価を払います。その後支払いを証明する「領収書」を受け取り、取引は完了です。
発注書の発行について
ここでは、発注書の発行に関する知っておきたいポイントをご紹介します。
発注書を発行する目的
基本的には、「発注書を発行しなければならない」という法的義務はなく、口頭のやりとりでも契約は成り立ちます。それでも発注書を発行するのは、商品・サービスの購入の意思を明確に提示し、取引をスムーズにするためです。
加えて、「言った/言わない」などのトラブルを防ぐためともいえるでしょう。
特に、下請法(下請代金支払遅延等防止法)の対象となる取引には、親事業者が取引内容を示した書面(発注書)を交付しなければならないと定められているので注意が必要です。
参考:下請代金支払遅延等防止法
記載事項
発注書に最低限記載が必要な事項は、下記の通りです。
- 発注年月日(取引を実施する日)
- 宛先(企業名や担当者の氏名)
- 書類作成者(企業名や担当者の氏名)
- 発注内容(商品・サービスの名称など)
- 取引金額(品番、単価、数量など)
- 希望する納期と納品場所
保存形式
発注書や注文書の保存形式については、大きく分けて、以下の3つの保存形式が認められています。
令和4年1月1日から施行された「電子帳簿保存法」により一部の保存ルールが見直されているため注意が必要です。
1つ目は「紙のまま保存」する場合です。取引先から受け取った紙の発注書をバインダーなどにファイリングして保存します。税務署などからの求めに対しスムーズに提出できるようにしておくことが重要です。
2つ目は「紙をスキャンし電子データとして保存」する場合です。スキャナ保存する場合は、削除や訂正の履歴が残るシステムなどを利用する必要があります。さらに、受け取ってから最長2ヶ月+7営業日以内にタイムスタンプを押し保存するなどの要件が求められます。
3つ目は「電子データでの保存」です。こちらも、改ざんを防止するための措置を取ることや、日付/金額/取引先ごとに検索できるようにするなどの、保存要件を満たす必要があります。これらの保存ルールに対応するため、電子書類発行システムなどを導入する企業も増えています。
電子帳簿保存法改正により、電子データで受け取った書類に関しては、紙で印刷して保存することが認められていないため注意しましょう。
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保存期間
発注書や注文書は、「帳簿」に関連する書類であるため、法律で保管期間が定められています。
法人の場合、税法で保管期間は7年間となっており、欠損金がある事業年度の書類は10年間と定められています。つまり、「10年間保管する」と覚えておくと良いでしょう。年数のカウントは、確定申告書類の提出期限の翌日から数え始めます。
青色申告をしている個人事業主の場合、発注書などの書類は5年間の保管期間が定められています。しかし帳簿は7年間の保管が必要であるため、混乱をしないためにも全ての書類を「7年間保管する」と覚えておくことをおすすめします。
収入印紙の貼付
長形3号サイズの封筒には、請求書の用紙を三つ折りにして入れます。
まず、縦に置いた請求書を下から折り、次に上を折りましょう。三つ折りにしたときに「請求書」と書かれた面が上に来るようにし、送付状を添える場合は請求書の上に重ねて三つ折りにします。
そして、封筒の裏面から見て三つ折りの端が右側に来るようにして入れ、封をします。
収入印紙が必要な場合に貼付を怠ると、最大で印紙税額の3倍までの過怠税が徴収されるため注意しましょう。
まとめ
法律では、発注と注文の違いは定められていません。加えて発注書や注文書の発行も義務付けられていませんが、取引の上で交付された場合は正しく保存し、決められた保管期間を守らなければなりません。
従来は紙で保存していましたが、近年の法改正もあり電子データでの交付や保存が普及してきています。
電子帳簿保存法改正への対応としては、販売管理システムの「楽楽販売」がおすすめです。電子取引の保存要件であるタイムスタンプの付与や専用のデータストレージによる長期保存もできるなど、オプション機能が充実しています。ぜひ、発注書の適切な取り扱いに役立ててください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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