発注点って?発注点・発注量の決め方と
大切な5つのポイントとは
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
在庫管理は売上や利益に直結するため、非常に重要な業務です。
そんな在庫管理にもいくつかの方法があり、在庫数があらかじめ定めた発注点を下回った際に発注をかける手法が発注点方式です。多くの企業で採用されている手法ですが、発注点の決め方が悩みの種になりやすいです。
今回は、発注点方式や定期発注方式といった在庫管理の手法、また、発注点・発注量の決定方法、発注で大切なポイント5つをご紹介していきます。
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この記事の目次
発注点って?
発注点とは在庫管理の手法のひとつである発注点手法において、「発注をかけるタイミング」のことを指します。
発注点手法には定量発注方式という別名があり、在庫数が一定量を下回った際に発注することを意味します。一定量を下回ったタイミングのことも、発注点と呼びます。
発注方式は大きくわけて2種類
発注方式には大きくわけて2種類があり、自社に合ったものを選びましょう。
ここでは前述した定量発注方式をふくめた2つの発注方式の特徴や、メリット・デメリットなどについてご紹介していきます。
定期発注方式
あらかじめ期間を設定して一定期間ごとに発注をかけるのが、定期発注方式です。たとえば月初や月中、月末、のように期間を設定して発注を行います。発注のタイミングは固定ですが、発注量を変えることで在庫をコントロールします。
この方式のメリットとしては、発注のタイミングが決まることで発注や支払の業務を効率化できることです。
デメリットは、過去の需要量、生産量といった実績から発注量を算出する必要があることや、発注数を誤ると在庫不足となるなど、過剰な在庫を抱える可能性があることです。
関連記事はこちら定期発注方式とは?定量発注方式との使い分けを解説|「楽楽販売」
定量発注方式(発注点方式)
前述の通り、定量発注方式は在庫が一定量を下回ったタイミングで発注する方式です。
この方式のメリットは発注点をしっかりと算出し、定めておけば常に十分な在庫を確保できる点です。
デメリットは発注や支払の時期が一定ではないため、業務の効率化が難しいという点です。さらに、急に需要が増えた場合に備えて常に多めの在庫を保っておかなければならないケースもあります。
関連記事はこちら定量発注方式とは?定期発注方式との使い分けを解説|「楽楽販売」
発注点・発注量の決め方とは
在庫管理をするうえでは、発注点、発注量の決め方も重要なポイントです。
ここでは発注点や発注量の決め方についてご紹介します。
発注点の決め方
定量発注方式(発注点方式)ではまず、発注点を算出します。
発注点は一般的に「1日の平均出荷量×調達期間+安全在庫」で算出します。在庫が不足すると販売機会ロスといった損失に繋がるため、常にギリギリの在庫を確保するのではなくしっかりと安全在庫も計算しましょう。
1日の平均出荷量についても、場合によっては最大値や中央値を選んだ方がいいケースがあります。消費速度の速い商品や原材料などの場合、できるだけ余裕を持って見積もりもっておくことが大切です。
発注量の決め方
定期発注方式の場合、発注量をまず決定します。
発注のタイミングが決まっているため、次の発注までの十分な量の在庫確保が必要です。基本的には過去の実績データなどを分析したうえで、毎回の発注量を決定します。
算出の方法は、基本的に定量発注方式と同様です。ポイントは、在庫の個数ではなく、日数で算出することです。
たとえば、次の発注までの期間が30日なのであれば「1日の平均出荷量×30(日分)+安全在庫」となります。
発注までの期間が長い場合は1日の平均出荷量や安全在庫の見積もりを多めにしておくことによって、在庫切れによる販売機会ロスのリスクを減らせます。
発注で大切な5つのポイント
在庫管理は仕入が必要な業種において売上に直結する重要な業務で、その在庫管理に大きく影響するのが発注です。
ここでは、発注にあたり大切なポイントを5つご紹介していきます。
在庫管理業務をルール化・統一
発注業務を適切に行うためには正しく在庫数を把握しておくことが不可欠で、そこで大切なのが在庫管理の業務です。
在庫管理が個人の判断で行われていると、正確な在庫の把握ができません。そのため、まずは在庫管理に個人差が出ないように業務をルール化・統一することが重要です。
在庫管理をエクセルで行うこともできますが、エクセルでは転記ミスや伝達漏れなどの人的ミスに繋がりやすくなります。そうした人的ミスを防ぐために、在庫管理業務のルールを決めるタイミングで、受発注管理システムの導入がおすすめです。クラウド型販売管理システム「楽楽販売」なら、あらかじめ設定したルールに従ってデータを自動作成したり、アラートメールを自動で送信したりすることができるため、転記ミスや伝達漏れを防ぐことができます。
商品をランク付けして優先度を決める
すべての在庫が同じように出庫されていくわけではないため、商品のランク付けを行い優先度を決めることも大切なポイントです。
ランク付けには一般的にABC分析という手法が使われます。Aは売れ筋で売上全体の7割を占める商品、Bは売上全体の2~3割、Cは売上全体の1割に満たない商品です。
この3つに分類することで発注の優先度が明確になり、発注の順番などを検討する手間の削減が可能です。
リードタイムの短縮で在庫の無駄をカット
発注から納品されるまで、または原材料の投入から完成までのリードタイムを短くすることも重要です。
リードタイムが長くなると長期間にわたって在庫を保有する必要がでてきますが、リードタイムの短縮によって在庫の無駄をカットできます。
需要を予測する
需要は常に変動するものですので、発注を適切に行うためには過去データや情勢などからの需要の予測も大切です。
もちろん正確な需要の予測は簡単ではないため、予測には誤差が生じることも踏まえて発注数を決定しましょう。近年では需要予測用ツールなども増えているため、導入の検討をおすすめします。
日次棚卸の実施
在庫管理のミスが起きてしまうとデータ上の在庫と実在庫にズレが生じる場合がありますが、棚卸を行うことによって正確な在庫把握が可能です。
ですが定期的でない棚卸を行う場合、在庫量によっては丸1日以上の時間を費やさなければならない場合もあります。このようなイレギュラーな業務を発生させないためにも、毎日棚卸を行う日次棚卸の実施によって負担軽減を図りましょう。
発注管理にクラウドシステムを導入する
受発注管理システムには、自社で購入した物理的サーバーにシステムを構築して利用する「オンプレミス型」と、クラウド上のサーバーにベンダーが用意したシステムを利用する「クラウド型」があります。
ここでは、近年普及が進んでいるクラウドシステムの導入メリットとデメリットをご紹介します。
クラウドシステムの導入メリット
クラウドシステムは、インターネットに繋がったパソコンやタブレットからアクセスできるので、倉庫・工場・本社・支社など、どこからでもタイムリーに閲覧できるというのが一番のメリットといえます。
リモートワークや予期せぬ災害時など、拠点外で業務を行う必要がある場合でも発注業務が可能です。情報共有の際も、用紙にプリントアウトする必要がないため、ペーパーレス化にも寄与します。
他にも、自社のサーバーや専用端末を用意する必要がないため導入に要するコストや期間が少なく済むのも特徴です。システムのアップデートといったメンテナンスもベンダー側が行うため、自社にエンジニアを抱える必要もありません。
クラウド販売管理システムの「楽楽販売」なら、クラウド型の中でもカスタマイズの自由度が高いので、現場への定着率も期待できます。
クラウドシステムの導入デメリット
クラウドシステムのデメリットとして挙げられるのが、セキュリティ面です。
インターネットを介するというシステムの性質上、少なからず情報漏洩や不正アクセスのリスクが伴います。システムの提供元のセキュリティ対策を事前に確認しておきましょう。
クラウドシステムの中には、カスタマイズ性が高いものや既存システムとの連携が可能なもの、シンプルな機能に絞ったものまで、さまざまな仕様があります。
企業の規模や事業スタイルに見合わないシステムを選択してしまうと、ランニングコストが想定以上に高くなり費用対効果が見合わないケースもあるため、見極めることが重要です。
まとめ
今回は在庫管理の手法や発注点・発注量の決定方法、発注で大切なポイントをご紹介しました。
在庫管理において発注はとても重要な業務ですが、多くの企業の頭を悩ませるのが発注点、発注量の決め方です。
企業の規模や取り扱う商品によって、発注点、発注量の決め方は異なります。発注のポイントおさえたうえで自社にあった発注業務を行いましょう。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
- 「楽楽販売」のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!