滞留債権とは?
不良債権にしないための方法を紹介します
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
滞留債権とは、ビジネスにおいて発生した売掛金のうち、何らかの事情で支払いが行われていない売掛金のことを指します。似た言葉に不良債権があり、こちらは回収が不可能・困難なもののことです。企業として売上を上げ続ける上では滞留債権の管理は避けることができません。そこで、今回は滞留債権の管理や不良債権にしない方法をご紹介します。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事の目次
滞留債権とは?発生の原因や管理上の問題点
冒頭でもご紹介した通り、支払い期限内に入金されないことで滞留債権が発生します。とはいえ、具体的にはどういったことなのか、どう管理すべきなのかわからないといった方も多いようです。
そこで、まずは滞留債権とはどんなものなのか、そして発生の原因や管理方法をご紹介していきます。
滞留債権とは?不良債権との違いは?
業務において売上が発生すると請求し、回収することとなります。通常、請求時に支払い期限が設定されており、その期日内に入金されます。
もちろん、毎回期間内に支払いが行われれば問題ありません。しかし、いろいろな事情で期限内に支払いが行われない場合も発生します。これが滞留債権です。
似た言葉として、不良債権があります。単に何らかの理由で入金が遅れてしまっただけであればまだ回収できる可能性がありますが、取引先となる企業の急激な業績悪化や倒産などから回収が不可能となるケースも発生します。この場合のように回収が不可能、または困難なものが不良債権と呼ばれます。
簡単に分類すると、回収の可能性が十分に残っているものは滞留債権、そして回収が不可能または、困難なものが不良債権です。
滞留債権が発生する原因は?
滞留債権が発生する理由はいろいろなものが考えられます。支払いの遅れという面のみを考えると、すべて相手側が悪いと思ってしまいがちです。
しかし、発生の原因は双方にあります。ビジネスを展開する上でもっとも重要なことは売上を伸ばすことです。そのため、売上に直結する営業などに力を注ぐ一方で総務や経理などは「後回し」になりがちなのです。結果として、請求書の作成や送付方法などに不備があって支払いが遅れてしまっているという場合もあります。
そのほかに、単純なミスによって支払いの遅延が引き起こされているというケースも存在します。企業の規模によっては毎月数百件、数千件もの支払い処理が発生します。そのため、人的ミスによって遅延が起こることは案外多いといえます。
企業によっては、複数の請求書に対してまとめて支払い処理を行うといったルールとなっていることもあります。支払い期日の設定の仕方では、この社内ルールにより一時的な遅延につながっているケースも考えられるでしょう。
滞留債権の管理に関する問題
滞留債権は放置すると経営に大きなダメージを与えることになります。そのため、管理が重要になります。
管理において特に重要となるのは、確実に状況を把握することです。企業によっては支払い・入金の管理をアナログで行っているというケースも少なくありません。どうしてもアナログ管理の場合、人的ミスが発生する可能性があります。
例えば、そもそも適切に請求が行われていないことによって未入金が発生している、すでに入金されているにもかかわらず、入金消込の遅れなどが原因で滞留債権と判断されているケースも多いでしょう。
十分な管理が行えていないと、適切な督促を行えずにさらに入金が遅れるのみでなく、すでに入金されているのに、督促することで信頼関係に亀裂を入れてしまう可能性も考えられます。
滞留債権の管理は直接売上につながるものではありませんが、健全に企業を運営する上では不可欠な業務です。
滞留債権への対策は?不良債権にしないための管理方法
前述の通り、滞留債権が積み重なると業務に大きなダメージとなります。そこで、適切な対策や管理を行うことが不可欠です。
ここでは滞留債権への対策や不良債権にしないための管理方法をご紹介します。
滞留債権を不良債権にしないためには?
対策として、特に重要となるのは不良債権にしないことです。前述の通り、滞留債権であれば十分に回収できる可能性が残っていますが、不良債権となると回収できない確率が上がり、よりダメージは大きくなります。
では、具体的に不良債権にしないためには何を行えばいいのでしょうか。
まずは、適切な督促によってできるだけ早く支払いを行ってもらうことです。支払い遅延の期間が長くなってしまうとそれだけ貸倒のリスクが上昇します。
とはいえ、あまりに急かしてしまうと今後の関係に影響する可能性も考えられます。そこで、督促のタイミングや方法についても相手に合わせて見直しを行いルール化することが大切です。
売上の管理を徹底する
滞留債権を不良債権にしないためには、売上の管理を徹底することが大切です。
売上が伸びると多くの企業が新しい事業をはじめ、取引額が増えます。「売上が伸びているから債権の回収は問題ないだろう」と安心してしまいがちですが、売上増加に伴って売掛金が急増することで不良債権の発生リスクが高まります。
これは成長期の企業によく見られることで、売上の管理を徹底していないことが原因のひとつと考えられています。
売上の管理を徹底することによってある程度の予測をつけられれば、不良債権のリスクを回避するための「取引条件の見直し」「取引額の減額」といった対策も提案しやすくなるでしょう。
迅速な行動が仇となることもあるので注意が必要
不良債権にしないためには、できるだけ迅速な判断が重要になります。しかしあまりに迅速な行動をするとそれが仇となり、取引先企業との信頼関係を悪化させてしまう可能性があります。
不良債権を発生させないことは企業の存続に関わる大切なことですが、不良債権の予防ばかりに注力してしまうと思わぬデメリットが生じることもあるでしょう。取引先に条件の見直しや対策案などをもちかける場合には必ず社内で話し合いの場を設け、適切な時期を見極めてください。
社内での原因も探る
不良債権が発生する原因としては、取引先の企業によるものだけではなく「社内で発生しているトラブル」も考えられます。
例えば、売掛金の未回収です。売掛金とは「後になって売上になる金額」のことで、商売上では「ツケ」という言葉で表現されることもあります。
社内の仕組みが整っていない場合、滞留債権の有無に気づけないことで不良債権へと発展させてしまうケースもあります。
不良債権が発生する前に、社内の仕組みや役割分担を明確にしておく対策方法も取り入れてみましょう。
関連記事はこちら 債務回収業務とは|業務の流れと注意点について解説|「楽楽販売」
滞留債権の管理をシステム化しよう
前述の通り、アナログ管理のリスクは多々あります。そこで、システム化する企業も増えてきています。
請求情報や入金情報を自動で作成・入力できるほか、支払い期日や支払い遅延のアラート管理、また、スムーズに入金消込ができるシステムであれば、人的ミス発生のリスクを減らせます。加えて、支払いの遅延が発生した際の督促の連絡などを、自動で行えるシステムもあります。
滞留債権管理のシステム化の方法
滞留債権管理をシステム化する主な方法について、2つご紹介します。
Excel(エクセル)で管理する
多くのパソコンに初めからインストールされている表計算ソフトのエクセルなら、滞留債権管理のシステム化もスピーディーです。自社の仕様に合わせた管理台帳を作成し、オートフィルタ機能で滞留債権が発生している企業を抽出して表示するように設定しておくことで、請求漏れの注意喚起になります。
ただし、エクセルのデメリットとしてデータ共有に向かないという点が挙げられます。管理担当者一人がデータを抱え込んでいると、急な休暇や予期せぬ退職などが起きた際に管理データがブラックボックス化してしまうことがあります。その場合、ほかのメンバーが滞留債権に気づきにくくなるので注意が必要です。
クラウド型の管理システムで管理する
クラウド型とは、インターネット上のシステムにアクセスして管理する方法です。複数の拠点にいる社員が同時編集できるため、スムーズな情報共有が実現します。これにより、管理業務の効率化が期待できます。
例えば、「楽楽販売」も、クラウド型に当てはまります。中でも下記のような機能が、滞留債権管理に役立ちます。
請求が必要な顧客を自動抽出
企業間取引は、概ね支払い期限や支払いサイトといった条件が一律ではありません。売上管理表で締め日や支払日を目視するだけでは見落とすこともあり、完璧に請求漏れを回避するのは難しいでしょう。
クラウド型の管理システムなら、売上などの入力データから当月請求が必要になる顧客を自動で抽出してくれる機能があるので安心です。
ワンクリックで請求書を発行
見積書や納品書から金額や品名を請求書にコピー&ペーストする方法では、転記ミスが起きる可能性があります。ワンクリックで請求書を作成できるシステムなら、ミスを減らせるだけでなく業務負担も軽減できます。
関連記事はこちら 参考:「楽楽販売」の帳票発行機能
滞留債権の金額も自動で集計
滞留債権の残高が現状どれだけあるかも自動で集計してくれます。督促後、入金があった場合には自動で消込されるので確認作業も容易です。
関連記事はこちら 債権管理はなぜ重要?業務内容やシステム導入のメリットをご紹介|「楽楽販売」
まとめ
企業として売上を求めていく上で、支払い遅延の発生を避けることは難しいでしょう。企業としての規模が大きくなればその分だけ発生のリスクは高くなるため、適切な管理や対策が必要です。
アナログでの管理には限界があるため、システムの導入をおすすめします。滞留債権は企業の運営においていろいろな問題につながりかねないため、対策を検討してみてください。
詳しく知りたい方はこちら!
この記事を読んだ方におすすめ!
記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
- 「楽楽販売」のコラムでは販売管理・受発注管理・プロジェクト管理などをはじめとする、あらゆる社内業務の効率化・自動化の例をご紹介していきます!