営業戦略立案に使える10の「フレームワーク」とは!?
その特徴をご紹介
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
企業の売上目標の達成には営業戦略が必要です。「フレームワーク」を上手く活用すれば、取り組むべき課題を踏まえ、リソースを最大限に活かした営業戦略を立案できるでしょう。
今回は、営業戦略立案の流れと10のフレームワークの特徴をご紹介します。
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この記事の目次
営業戦略にフレームワークはなぜ必要?
フレームワークとは考え方をまとめるための枠組み、いわば「公式」のようなものです。限られたリソースを最大限に活かした営業戦略を立案するには、このフレームワークが役立ちます。主な理由を2つ見ていきましょう。
根拠ある戦略を効率的に立てられるから
営業戦略は、営業担当者の感覚やこれまでの慣習だけで立案できるものではありません。市場環境や社内リソースなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。そこでフレームワークを活用すれば、分析の切り口や優先順位などが明確に位置づけられるので、効率的に計画を固めていくことができます。
課題抽出に役立つので戦略の見直しがしやすい
当初の計画通りに物事が運ばない場合にも、その原因を分析する際にフレームワークは役立ちます。少しでも早く課題を発見し計画を見直すことで、損失が大きくなる前に食い止められる可能性が高まります。
基本の営業戦略立案の流れ
営業戦略を立案する際は、下記のような流れが基本となります。
ステップ1:現状分析
まずは、外部環境や内部環境といったさまざまな角度からの分析を行い、いま自社が置かれている状況を把握します。顧客ニーズや競合の動向といった「現状」の変化は非常に早いため、分析もタイムリーなものでなければ意味がありません。このステップでフレームワークを用いれば、スピーディーかつ客観的な現状分析が可能になります。
ステップ2:戦略立案
次に現状から洗い出した取り組むべき課題やビジネスチャンスなどから、骨格となる基本方針を定めていきます。シンプルでわかりやすいビジョンを掲げ、この一点に向けて組織全体が一致団結して取り組めるような指針を示しましょう。商品・サービスの提供価値やターゲットを明確にして、戦略の方針を立案していきます。
ステップ3:戦術策定
新規顧客獲得のための広告手法や既存顧客との関係を強化する営業アプローチなどの、具体的な戦術の策定に取りかかります。成約数や市場シェアといった数値を「KPI(重要業績評価指標)」として設定すると、目標達成までの達成度合いが明確になり、メンバーのモチベーションも上がります。
ステップ4:評価・改善
KPIによって取り組み実績を見える化し、分析、評価を行います。続けて新たに顕在化した課題と合わせて、今後の改善策を立案します。PDCAをスピーディーに稼働させて、営業戦略をより効率的で確度の高いものにしていきましょう。
営業戦略に使えるフレームワーク10選
ここでは、営業戦略に使えるフレームワークを10個ご紹介します。
1.「3C分析」
3Cとは、「Customer/顧客」「Competitor/競合企業」「Company/自社」のことで、現状分析で使えるフレームワークです。市場環境や顧客ターゲットのニーズ、競合企業の動向や自社との違い、自社の強み・弱みなどを分析することで、自社が置かれた環境を把握します。特に、新規事業や新商品についての戦略を構築する際に活用されます。
2.「4P/4C分析」
「Product/製品」「Price/価格」「Place/流通」「Promotion/プロモーション」からなる4つのP、または「Customer Value/顧客価値」「Cost/顧客にとっての経費」「Convenience/顧客利便性」「コミュニケーション/Communication」の4つのCに基づくフレームワークです。4Pは企業視点、4Cは顧客視点で、「何を、いくらで、どのように、どうやって売るか」を分析し、具体的な戦略立案に用いる方法です。
3.「SWOT分析」
「Strength/強み」「Weakness/弱み」「Opportunity/機会」「Threat/脅威」の頭文字を取ってSWOT分析と呼びます。強み・弱みから自社の特徴を改めて確認し、機会や脅威の項目では自社を取り巻く外部環境を知ることができます。現状分析において頻繁に用いられるフレームワークです。
4.「TOWS分析/クロスSWOT分析」
TOWS分析とは、上記のSWOT分析の4つの項目を掛け合わせてより分析を深めるフレームワークです。例えば、「強み×機会」で市場動向で強みを活かすための戦略のヒントにします。ほかにも「弱み×機会」からは、自社の弱点をどのように補完すればビジネスチャンスを逃さないかを探ります。このように、多角的に自社分析を行うときに活用します。
5.「5W1H分析」
一般的によく使われる「5W1H」も、ビジネスに活用できるフレームワークです。「When/いつ」は、商品の販売時期やキャンペーン期間などタイミングについての分析に用います。「Where/どこで」は販売チャネルや流通経路、「Who/誰が」はターゲットのペルソナ、「What/何を」は商材を指し、「Why/なぜ」はなぜこの商材を売るのか、なぜニーズがあるのかといった視点を定めることができます。最後に「How/どのように」で、プロモーションや集客をどのように図るかなどの手法を探ります。
6.「ロジックツリー」
ロジックツリーとは文字通り「論理の木」であり、関連する要素を枝葉のようにつないだ図形にして問題の真相を洗い出すフレームワークです。例えば、売り上げが落ちたという事実に対し、「競合から新商品が出た」「自社商品が機能性に劣る」「開発予算が不足している」といった要因を書き連ね、成績悪化の原因究明に役立てます。
7.「STP分析」
STPは「Segmentation/セグメンテーション=市場の細分化」「Targeting/ターゲティング=ターゲットのペルソナ化」「Positioning/ポジショニング=競合より優位になる立ち位置」を指します。一般的に、後発ブランドとして競合を意識した戦略立案の際に用います。
8.「VRIO分析」
「VRIO分析」は、企業が持っている経営資源を4つの観点から評価し、競争力となる自社の強みをシビアに見極めていくためのフレームワークです。
4つの観点とは、「Value(経済的価値の源泉になりうるかどうか)」「Rarity(希少性に優れているかどうか)」「Imitability(模倣が困難かどうか)」「Organization(経営資源を活かせる組織であるかどうか)」を指し、VRIOはこの4つの観点の頭文字を取った略称です。
9.「バリューチェーン分析」
自社の商材を顧客に届けるまでの事業の一連の流れを俯瞰して分析し、どのプロセスでどういった付加価値を創造できているかを見出すのが「バリューチェーン分析」というフレームワークです。
バリューチェーンは、原材料の調達から製造、物流、サービス提供といった「主活動」と、本業を支える技術開発や人材管理といった「支援活動」に分かれます。主活動と支援活動を個別に分析することでプロセスごとにどのような自社の強みや弱点があるかを把握することができるため、具体的な課題解決に役立ちます。
10.「ファイブフォース分析」
「ファイブフォース分析」は、事業活動への脅威(Forces)となる外部環境を分析するためのフレームワークです。脅威とは「競合他社」「代替品」「売り手」「買い手」「新規参入業者」の5つです。
これにより、業界内の他社企業の動向や、自社商材に取って代わられるライバル商材は何か、どのような業者が参入してくるかといったことを可視化できます。業界の現状把握や今後起こるかもしれない脅威などの情報は、市場への参入・撤退、新商材の成否などを判断する際に役立ちます。
まとめ
フレームワークは営業戦略の立案はもちろん、自社を客観視して社内の認識を共通化するためにも用いられます。今回ご紹介したもの以外にもさまざまフレームワークがあり、知っておくとビジネスの多様なシーンで役立ちます。ぜひ、使いこなして効率的で確度の高い営業戦略立案を目指してください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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