クラウドシステムはメリットばかりではない?新たな問題点を知っておこう

こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
クラウドシステムとは、インターネット環境を活用したコンピューターシステムのことを言います。クラウドはネットワーク上に存在するため、スマホやPCからいつでもアクセスできるという特徴があります。
この記事ではクラウドシステムのメリットと、気づきづらい問題点をご紹介します。
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この記事の目次
クラウドシステムとは
クラウドシステムとは、インターネット環境が整っていればスマホやPCからいつでもアクセスできるシステムのことをいいます。目の前の物理的な機器ではなく、目に見えていないサーバー上に構築されたものであるため、クラウド=「雲」が語源となったと言われています。
クラウドシステムが普及した背景
今やクラウドシステムなしでは生活に不都合が出るほど普及が進んでいます。
かつてはデータ通信速度や容量などが十分ではなかったことに加え、システムを「所有」することに価値があるとされていたため、多くの企業は自社内に物理的なサーバーを置き、そこにシステムを構築して運用していました。
しかしその後IT技術が発達したことで通信速度などの改善が進み、2006年ごろから世界中のIT企業がクラウドサービスの開発・提供に乗り出したのです。
日本では、2011年に発生した東日本大震災の際に数々のサーバーが被害を受け、多くの事業者がデータを損失することとなりました。それをきっかけに、事業継続(BCP)対策としても、自前でサーバーを持たないクラウドシステムに対する期待度が高まるようになったと言われています。
政府も働き方改革やDXの観点からクラウドシステムの活用を推奨しており、いっそう浸透が進んでいることがわかります。
システムの導入形態の種類と特徴
前述のクラウドシステムを含め、多くのシステムは「クラウド型」と「オンプレミス型」に分類されます。それぞれの特徴についてご紹介します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、拠点内に設置した物理的なサーバー上にシステムを構築し、ネットワークでつながったデバイスを使うという導入形態です。サーバーやネットワークを自社が購入して用意する方法と、レンタルなどで用意する方法があります。メリットとしては、自社に合わせたシステムをきめ細かくカスタマイズできることが挙げられます。一方で、自社内でシステムに関する設備を整えるため、導入までに時間や手間、費用がかかります。そのほかに、故障時や組織体制の変更に伴う整備も自社でメンテナンスする必要がある点にも注意が必要です。
クラウド型
前述の通りクラウド型は、インターネット上に構築されているシステムを利用する形態です。インターネット環境が整っているパソコンやスマートフォン、タブレットからならどこからでもアクセスできるため、昨今急激にシェアが増加しています。
「楽楽販売」もクラウド型システムであり、販売管理に関する業務をいつでもどこからでもワンストップで管理することができます。リモートワーク中のメンバーもアクセスできるので、新しい働き方にも対応していることが注目されています。それでは、次章以降でクラウド型のメリットや問題点についてご紹介します。
クラウドシステムのメリット
クラウドシステムのメリットのうち、オンプレミス型と比較して優位性のある2点について見ていきましょう。
時間・費用面で導入しやすい
クラウド型はインターネット上のシステムを利用するため、物理的なサーバーの購入が不要です。サーバーの選定から納品、設置工事、システムの構築など導入までのステップが多いオンプレミス型に対して、クラウド型は導入するベンダーが決まっていればすぐにでも導入できるため、運用開始までの初期費用や時間を大幅に短縮できます。
リモートワークが可能になる
オンプレミス型は、社内に置いた物理的なサーバーとつながっているデバイスのみアクセスできる仕組みのため、社外からはアクセスできません。一方クラウド型は、インターネット環境下であれば、基本的には制限なくシステムにアクセスできるため、複数の拠点で同じシステムを利用することが可能です。職場から離れたところでも社内と同じような環境で業務ができるため、働き方改革やパンデミックへの対応を受けたリモートワークのシーンでの活用に注目が集まっています。
拡張性に優れている
クラウド型がサーバーや専用機器を必要としないことは、システムの機能拡張の面でも有利に働きます。サービス内容にもよりますが、事業の拡大に合わせて利用幅を拡大したり必要な機能を増減したりと、柔軟な利用が可能なものが多いです。
事前にベンダー側に機能拡張性を確認しておくことをおすすめします。
セキュリティが担保できる
自社でオンプレミス型を用いてシステムを運用する際には、セキュリティ面についても自社の責任となります。
一方、クラウド型であればベンダー側がシステムのセキュリティ対策まで行ってくれるため、自社としての負担軽減につながるでしょう。
利用したいクラウドシステムのセキュリティ面はどのように担保されているのかについても、ぜひチェックしてみてください。
クラウドシステムの問題点
低コストでの導入と利用時の柔軟性が評価され、現在さまざまな業界でシステムのクラウド化が進んでいます。ここでは、知っておきたい問題点にも目を向けておきましょう。
カスタマイズしづらい
自社の業務形態に合わせて綿密なカスタマイズが可能なオンプレミス型と比べると、クラウド型のシステムのカスタマイズ性は劣っている傾向にあります。システムを提供するベンダーが用意したサービスをベースとして、その範囲内でのカスタマイズとなるためです。そのため利用するシステムを検討する際には、自社の業務にあった機能があらかじめ揃っているかなどをチェックする必要があります。また、近年ではクラウド型のシステムでもカスタマイズ機能が豊富なものもあるため事前に確認すると良いでしょう。
オンラインが必須
クラウド型は、クラウドにアクセスできるならどこからでも使えることが最大のメリットです。つまり、オンライン環境下にあることが欠かせない条件となります。地下鉄などのインターネットへの接続が難しい場所では利用できません。
顕在化してきた新たな問題点
物理的サーバーに縛られることなく利用でき、社会のリモート化にも寄与しているクラウドシステムですが、ここ数年急速に普及する中で新たな問題点が現れてきているようです。顕在化してきた2つの問題について確認しておきましょう。
管理工数・運用負荷が肥大する
新たな問題点と言われているのが、管理工数や運用負荷の肥大化です。企業がシステムを導入する際、かつては「情報システム部門」のような部署が一括してサーバー管理・運用を行うのが一般的でした。しかしクラウド技術の進化に伴い、企業でも各事業部が独自で必要とするクラウドシステムを気軽に導入できるようになりました。物理的なサーバーを置かないクラウドシステムはサーバーそのものの管理は不要ですが、サーバーの運用から逃れられるわけではありません。各部署が勝手に異なるクラウドサービスの契約をしてしまった場合、管理工数が増加し、運用負荷が肥大するといった事態に陥ることがあります。
クラウド撤退リスクが増幅する
利用しているクラウドサービスのベンダーがクラウド事業から撤退してしまうというリスクは避けられません。クラウドサービスの機能性や料金だけでなく、ベンダー企業についても調査することをおすすめします。また、クラウドシステムを利用する期間が長いほど、システム内に企業の機密情報がデータベース化していきます。自主的にクラウドサービスから撤退するにしても、別のシステムにデータを移行するのは自社で行うことになるため、注意が必要です。
まとめ
導入時のコストや時間を最小限にすることができるクラウドシステムは急速に普及が進んでいます。その自由度の高さからメリットばかりに目が行きがちですが、デメリットも把握しておくことが大切です。自社内のクラウド利用の実態を洗い出し、システムを絞り込む作業も必要になるかもしれません。クラウドシステムのメリットを最大化するためにも、一度見直してみるのはいかがでしょうか。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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