先進的なDX推進事例から、あらたな価値創造を見出そう
こんにちは!「楽楽販売」コラム担当です。
近年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるあらたな価値創造に取り組んでいます。
この記事では、特に先進的な取り組みとして高い評価を得ている企業のDX推進事例をご紹介します。変化の激しい時代に成長を続けるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
DXの代表的な施策
「トランスフォーメーション(変換・変革)」とあるように、DXはデジタルによってビジネスモデルを変革していくことを指します。これは、社内の業務改革や顧客への価値提供など、さまざまなシーンに及ぶ変革です。
下記は、代表的なDXの施策です。いずれかひとつだけでは単なるIT化に過ぎないものもありますが、これらを複合的に取り組むことで、企業活動が大幅に革新します。
デジタルツールによる情報共有・効率化
DXの手初めに取り組む施策としては、デジタルツールを導入することが挙げられます。
デジタルツールの一例としては、インターネット上にデータを保管する「クラウドストレージ」があります。ファイルや画像などのデータをアップロード・ダウンロードすることで、効率的に情報共有を行うことが可能です。近年は無料で利用できるクラウドストレージサービスも登場しています。
そのほかに、データ共有の手段として「チャットツール」の導入も進んでいます。メールよりもコールアンドレスポンスが図りやすく、電話のように相手を拘束しないことから、社内のコミュニケーション手段として活用されるようになりました。
ペーパーレス化・業務効率化
経理や総務といったバックオフィスのペーパーレス化は紙資源のコストが浮くだけではなく、業務の無駄の大幅カットにつながり、効率化も期待できます。
例えば契約書のペーパーレス化の場合、データ上で上司への稟議申請や契約者とのやりとりを行えば、プリントアウトや郵送にかかる時間と手間が不要になります。ハンコの押印のためにオフィスに出向いたり決裁者の帰社を待ったりする必要もありません。
プリンターの郵送代、郵送のための切手代、契約書の収入印紙代などの費用も不要になるというメリットもあります。
業務支援システムの導入
業務支援システムのひとつである営業支援システム(SFA)の導入も、DXの一環として効果的な取り組みです。
近年は、社会全体で働き方改革に注目が集まっています。労働時間の適正化により、残業や休日出勤といった従業員のマンパワーに依存する旧来のビジネススタイルが通用しなくなってきています。
そこで営業活動をサポートする機能が揃ったシステムを導入すれば、組織的な営業成果の向上に役立ちます。クラウド型なら顧客データの整理や共有、営業の進捗状況の確認、日報作成などもスマホやタブレットからスムーズに行えます。
加えて、業務効率化や属人化からの脱却、顧客へのアプローチの活性化など、多くのメリットが期待できます。
AIによる分析・意思決定の実現
さらに高度なDXを実現するなら、AIを導入した積極的なデータ活用も視野に入れましょう。
過去の取引や現状の市場環境といったさまざまなデータを集積するだけでなく、統計分析や意思決定にAIを用いれば、営業スタッフの固定観念や慣習に縛られない客観的な判断を下すことができます。
外部のデータサイエンティストやマーケッターに頼らずに、成功確率を高められるでしょう。
先進的なDXの取り組みを参考にするなら
自社のDXに取り組むにあたって、先進的な取り組み事例を知ることは重要です。
どのような事例が存在するかを知るには、「DX銘柄」や「DX注目企業」「DXグランプリ」といった評価制度を参考にしてみましょう。
DX銘柄
経済産業省では、DXに取り組む企業を「DX銘柄(デジタルトランスフォーメーション銘柄)」として選定しています。東京証券取引所の上場企業であり、デジタル活用の成果が表れている企業の中から業種別に1〜2社が選ばれています。
システム導入やデータの利活用といった端的なIT化にとどまらず、ビジネスモデルの変革にチャレンジを続けている企業として、ステークホルダーからの評価にもつながる基準です。
「DX銘柄2022」の選定プロセスでは、上場企業約3,800社のうち、33社が選ばれています。
DX注目企業
惜しくもDX銘柄に選ばれなかった企業のうち、注目度の高いDXの取り組みを行っている企業を「DX注目企業」として選定しています。「DX注目企業2022」の選定プロセスでは、上場企業約3,800社のうち、15社が選ばれています。
DXグランプリ
上記で紹介したDX銘柄のうち、特に優れたDXの取り組みを行っている企業を「DXグランプリ」として選定しています。
「DX注目企業2022」の選定プロセスでは、DX銘柄33社のうち、2社が選ばれています。DXグランプリを獲得した企業は「デジタル時代を先導する企業」として紹介され、広く認知されることになります。
参考:METI/経済産業省
デジタルトランスフォーメーション銘柄 (DX銘柄)2022
デジタルトランスフォーメーション銘柄 (DX銘柄)2021
企業のDX推進事例
DX推進事例の代表的なものを見ていきましょう。
中外製薬株式会社 (DXグランプリ2022)
2022年のDXグランプリを獲得した中外製薬株式会社は、2030年に向けた成長戦略に対し強い影響をもたらす要素のひとつをDXと位置づけています。創薬、生産、そして医療関係者と患者といった各方面への取り組みを進めています。
例えば、DX推進のためのデジタル基盤の強化として「社員のアイデアを実現化する仕組み」「デジタル人財を体系的に育成する仕組み」「全社データの利活用を最適化する仕組み」といった王道かつ科学的なDXの推進が評価されています。
日本瓦斯株式会社 (DXグランプリ2022)
「ニチガス」を愛称とする日本瓦斯株式会社のDXは、「NICIGAS 3.0」と銘打ったエネルギーソリューション事業への進化を図っています。
例えば、デジタル技術を活用して、ガスや電気のみならず、太陽光発電やEVといったエネルギー全般の提供を最適化するスマートハウスの仕組みなどの実現を目指しています。
先進的なDX推進によりエネルギー小売業という旧来のビジネスモデルから脱却し、地域社会全体でのエネルギーの最適利用を提案する取り組みなどが評価され、DXグランプリに選定されました。
サントリー食品 インターナショナル株式会社 (DX銘柄2022)
サントリー食品 インターナショナル株式会社では、DXによって革新的な商品・サービスの提供や、社会課題を解決する業務オペレーションづくりを目指しています。DXの取り組みとしては、高度なIT技術を備えた新工場を稼働させ、ものづくりのプロセスの最適化を図っています。
加えて、自動販売機にAIを取り入れて、ユーザーニーズに合わせた品揃えや適正な在庫配置を実現しています。
飲料メーカーとして、ユーザーの気持ちに寄り添う視点をDXを用いて取り入れている点が評価されています。
味の素株式会社 (DX銘柄2022)
味の素株式会社では、「食と健康の課題解決をDXで加速する」と掲げ、社会変革をリードする食品メーカーを目指す取り組みを進めています。DXはビジョン達成への重要な位置づけと考えられており、従業員の働き方改革から全社オペレーション、エコシステム、事業モデルの変革を経て、社会を変革する存在へと段階的に推進していく計画です。
一例として、AIを活用して個々のニーズにあった献立を提供する「自動献立提案システム」など、新鮮な顧客体験の提供にもDXを活用しています。
旭化成株式会社 (DX銘柄2022)
旭化成株式会社は、2021年度に「DX Vision 2030」を策定し、DXを4つのフェーズに沿って着実に推進しています。
DXの初期段階として、社内外のメンバーが知恵やアイデアを持ち寄って議論するデジタル共創空間ラボ「CoCo-CAFE」を開設し、ビジネスモデルの変革や新事業創出につなげています。
そのほかに、全従業員を対象としてデジタル技術などの取得を促す自己啓発プログラムも開始しており、デジタル人材の育成をはじめとした取り組みが評価されています。
富士フイルム ホールディングス株式会社 (DX銘柄2022)
写真・医療・印刷などを事業とする富士フイルムホールディングス株式会社もDX銘柄に選ばれています。
具体的には、医療用画像診断分野にICTを活用したり、自社開発のAIプラットフォームを医療機関に提供したりするなど、医療AIへの取り組みをグローバル規模で進めています。さらに、2030年に向けたDXのロードマップに基づき、グループ横断的に継続してDXを進めていく計画ということです。
株式会社日立製作所(DXグランプリ2021)
2021年のDXグランプリは、株式会社日立製作所でした。これまで培ってきたOT(制御・運用技術)とITのノウハウに最新鋭のデジタル技術を掛け合わせた「Lumada」を中核として、社会が生み出す膨大なデータから価値を生み出す「社会イノベーション事業」を世界展開しています。
社会のDX化を進めるサプライヤー側の立場として、他社に先んじたDXの取り組みが評価されています。
SREホールディングス株式会社(DXグランプリ2021)
SREホールディングス株式会社は、『「リアル×テクノロジー」で10年後の当たり前を造る』と掲げて先進的なDXに取り組んでいます。例えば、自社の不動産事業の仲介業務を効率化するAIクラウドツールをアジャイル開発(短期的に繰り返し開発を進めること)し業務効率化を実現しました。これにより飛躍的に生産性を向上することができています。
加えて、過去の大量の取引データをAIで分析し、精度の高い不動産取引価格を自動査定するツールなども開発しています。DXにより不動産事業に根付く商習慣を破壊するビジネスモデルとして評価されています。
まとめ
今回の記事で取り上げたDXの事例は、グローバル規模の事業展開を行う上場企業ばかりのため、自社のビジネスとは縁遠いと感じるかもしれません。しかし、加速する社会のDXを背景にすると、この事例の多くが数年先にはスタンダードとなっているとも考えることができます。
自社のDXを進めるにあたっても、業界の商習慣や今現在の市場環境に縛られない柔軟な発想が重要なポイントになるでしょう。ぜひ、先進的な事例などを参考にして、DX推進にチャレンジしてみてください。
「楽楽販売」はDX化の足掛かりとして多くの企業に導入いただいている販売管理システムです。企業ごとに異なる業務フローや商材にあわせたカスタマイズが簡単にでき、スモールスタートも実現できるシステムとなっています。ぜひDX推進の第一歩として、お気軽にお問い合わせください。
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記事執筆者紹介
- 株式会社ラクス「楽楽販売」コラム編集部
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